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銚子の伝統食材「ツノマタ」 浜内千波さんの絶品アイデアレシピ

  • 2022年6月3日

食材の産地を応援する『くらしりスペシャル』

今回は、千葉県銚子市で採れる海藻“ツノマタ”です。かつては多くの人に食べられていた伝統食材ですが、最近は需要が減って収穫量も減少。若い世代には縁遠い食材になってしまいました。そこでツノマタの新たな魅力を発信すべく、料理研究家の浜内千波さんに絶品レシピを考案していただきました!

銚子の伝統食材“ツノマタ”とは

銚子市で5月から7月まで収穫できる海藻“ツノマタ”。
鹿の角のような形をしていることからその名がつけられたとも言われています。地元では主に、ツノマタを煮て溶かし、冷やして固めた「海藻こんにゃく」として食べられていて、銚子の郷土料理として古くから愛されてきました。

いま、ツノマタが危機!?

ところが最近、ツノマタを食べる人が減ってきているそう。その理由の一つは「磯の香りが強すぎる」から。若い人たちになかなか受け入れられず、収穫量も減り、取り扱うお店も減少しているんです。
収穫されなかったツノマタは、浜で腐ってしまい悪臭の原因にもなっています。

そこで地元では、なんとかツノマタを食べてもらおうと、新たな食べ方を考えて試食会を開催するなど試行錯誤を続けていますが、なかなか「これ!」といったアイデアが浮かばないのが皆さんのお悩みでした。

 

ツノマタ応援団長!地元の海苔店 鈴木清一さん
“海藻こんにゃく”にウコンや納豆を混ぜたり、ツノマタのチャーハンを作ったり、色々試しましたが、ツノマタのにおいが強すぎて、どれも失敗に終わりました。

 

ツノマタ応援団! 地元のホテル 秋本誠さん
銚子ならではの海藻だから、オリジナル料理を考案してホテルでも提供したいのですが、なかなか難しいです。

浜内千波さんがお助け!ツノマタは栄養豊富なスーパーフード!

ツノマタの危機を救うために力を貸してくれたのが、おなじみ料理研究家の浜内千波さん。
浜内さんによると、ツノマタはミネラル、食物繊維が豊富。特に日本人に不足しがちな「亜鉛」が多いスーパーフード。ツノマタの特性をいかして、子どもが大好きなレシピを考案してくれました!

 混ぜるだけでカルボナーラに!?

ツノマタに含まれる食物繊維は水溶性なので、牛乳などの水分と合わせると「とろみ」が出て、食材をまとめてくれます。そこで、フライパンを使わずに、子どもでも簡単に作れるカルボナーラならぬツノマタナーラをご紹介!

●カルボナーラならぬ“ツノマタナーラ”
<材料>(2人分)

・ツノマタ(乾燥)・・・10g
・冷凍うどん・・・2玉
・ベーコン・・・2枚(30g)
・牛乳・・・大さじ4
・卵・・・2コ
・塩・・・小さじ1/3
・粉チーズ・・・大さじ3
・黒こしょう・・・適量

<作り方>
(1)ツノマタを水で洗い、たっぷりの水で15~20分戻し、食べやすい大きさに切る
(2)皿に牛乳を入れ、(1)のツノマタ、卵、塩、粉チーズ(半分)、細切りにしたベーコンを入れて混ぜる
(3)うどんを電子レンジで解凍
(4)アツアツのうどんを(2)に入れてよく混ぜ、残りの粉チーズ、黒こしょうを振って出来上がり

上村
リポーター

ツノマタ特有のにおいが減り、磯のいい香り!食感がコリコリしていてクリーミーでおいしい!

浜内さん

ツノマタは水に戻すとにおいが抑えられます。
この一皿で、ミネラルや食物繊維もとれ、栄養バランスがとってもいい一品ですよ!

銚子のソウルフード“海藻こんにゃく”でトロ~リ茶ずまし

ツノマタで作られる“海藻こんにゃく”。地元では、ネギやかつお節をかけて冷やしていただくのが定番ですが、今回は「茶ずまし」に。茶ずましとは、ご飯に刺身をのせ、熱いお茶をかけていただくもの。銚子ならではの、海藻こんにゃくとマグロをのせ、熱湯を注いでいただきます。

<材料>(2人分)
・海藻こんにゃく・・・80g
・刺身(マグロなど)・・・6切れ
・ごはん・・・適量
・しょうゆ・・・大さじ2
・しょうが(すりおろす)・・・適量
・熱湯・・・適量

<作り方>
(1)海藻こんにゃくを薄切りにする
(2)アツアツのご飯の上に海藻こんにゃくと、しょうゆにくぐらせた刺身をのせる
(3)残ったしょうゆを回しかけ、しょうがを添える
(4)熱湯をかけ、お好みのとろみが出るまで混ぜていただく

 

しょうがを入れ、ご飯と合わせて食べることで、においも気にならない!これなら、若い人も食べたくなりますね!

 

海藻こんにゃくは、熱湯をかけると溶け出し、とろみがついてあんかけのようになります。今回はマグロとしょうゆで和風にしましが、調味料を変えれば洋風にも中華風にも!
いろいろ試して楽しんでくださいね。

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