ハイキングに出かけると避けては通れない「のぼり・くだり」。少し歩くだけでバテてしまいませんか?
今回は、のぼり・くだりを歩く時のコツを、多くの登山愛好家を指導してきた登山ガイドの野中径隆さんに教えていただきました。
のぼり坂、歩き始めて、たった5分で疲れてしまいました。
どうすれば、バテないで歩けますか?
のぼる時に有効な“省エネ歩行”のコツがあるんです。
ひざを少し前に出し、前の足の力も使って段差をのぼる。これが出来ると疲れにくくなります。
左:上村リポーター 右:野中さん
上村リポーター
ひざが前にしっかり出ていない。
重心が前に移動しないまま後ろの足を持ち上げると、力が必要となり体力を消耗。
野中さん
ひざを前に出すと、足首が曲がり、重心が前に移動。この力を利用して後ろの足を楽に上げることができる。
ひざを前に出しやすくするには、「足首」を柔らかくすることが必要。
有効なストレッチをご紹介します。
段差につま先をのせて、ひざを伸ばしたまま体を前に倒す。
深呼吸しながら20秒ほど足首をストレッチ。
※痛みを感じたらすぐにやめてください
ストレッチをすると、足首だけではなく、ふくらはぎも伸びる!
ひざが前に出やすくなって、自然と体が進んで楽にのぼれました。
のぼりよりくだりの方が楽に歩ける気がするんですが…
実はくだりの方がバランスを崩しやすいので、正しく歩くことが大切。カギは、手の位置を意識することです。
くだる時の手の位置、正しいのはどっちだと思いますか?
転びそうになってもすぐ手が出せるように、手を前に振りながらくだるのがいいと思います。
正解は、「手を横に置く」です。手が体の前に出てしまうと、姿勢が前かがみになり、歩くスピードが出すぎてしまいます。
手を前に振ってくだると、体勢が崩れて危ない上に、スピードをコントロールするための余計な力が必要になるんです。
慣れるまでは、手を腰に当てて胸を張るようにしてくだるのがオススメ。
ポールを使う時も、くだりでは体の横につくのが基本。
登山ガイド 野中径隆さん
「体の使い方を覚えて、さらに長い距離を歩いたり、少し高い山にのぼってみたり、省エネ歩行に挑戦してほしいです。そうすると、ウォーキングがもっと楽しくなります!」
※ひざや足首の痛みには個人差がありますので、無理をしないようにしてください。