新生活が始まるこの季節。名前を書く機会も多いですし、新たな出会いを好印象でスタートさせたいですよね。そんな人におすすめ!美しい文字 “美文字”のレッスンです。
今回は書道家の大江静芳さんに、字に癖のある人でも美しく整った文字を書くコツを教えてもらいました!
今回教えていただくのは、書道家の大江静芳(おおえ・せいほう)さん。
書道家として活躍しながら、日常で役立つ美文字の書き方をネットでも発信しています。
きれいな字を書くのは、長年の癖を直さなきゃいけなくて、すごく難しいイメージがあるのですが…
書き方を全て矯正するのは時間もかかり、難しいです。でもコツさえつかめば、自分の字を生かしながら、きれいな字が書けると思いますよ。
まずは、自分の名前をいつも通り書いてみました。
全体的に、活字のように正方形におさまっている印象があります。少しメリハリが足りないですね。
どうしたらいいでしょうか?
1つは、文字の中に主役となる画“主画”をつくることです。
例えば、「上」という字は3画目の横線が主画になります。しっかり伸ばす線を1本決めると、字にメリハリが生まれますよ。
主画を意識する前(左)・あと(右)
上村陽子の「陽」もバランスがとりづらいんですよね…。
へんとつくりからできている字は、左右それぞれ主画を決めます。「陽」なら、こざとへんの最初の横線と、つくりの横線の2つを伸ばしましょう。
先生が書いた「陽」
主画を意識して書くだけで、字にメリハリが生まれました。
主画を意識する前(左)・あと(右)
しかし、漢字の中には主画を見つけにくい字もあります。
たとえば、新井秀和キャスターの「新」の文字。
横線が多くて、伸ばしどころがたくさんある字は主画を見つけるのが難しいですよね。そういう時は、書いて試すのが一番です。
いろいろな線を主画にして書いてみると…
2と3はバランスがいいかな…?
どちらも正解です。主画になる線にはある程度の決まりがありますが、いろいろ試してみて自分が心地のいい形を見つけていくのが大事だと思います。
主画を意識する前(左)・あと(右)
主画を見つけることで横の線がのびやかになり、バランスが良くなりました。
つづいては、川﨑理加キャスターの「理」の文字でポイントを教えてもらいました。
横線は基本的に右上がりに書きますが、それだけだと字が傾いてしまいますよね。最後の画は右下に押さえるようにして重心をつくると字がまっすぐに見えます。
先生が書いた「理」
右上がり、右下重心を意識して書くと、線が書きやすくなりました!
右上がり、右下重心を意識する前(左)、あと(右)
最後は、付箋やメモ用紙に横書きで文章を書くときのポイントです。
横書きの場合、“はね”や“はらい”が隣の字とぶつかってしまうので、実は縦書きよりもバランスが悪くなりがちです。
横書きの場合は主画を少し控えめにして、文字の間隔をそろえることを意識すると整って見えます。漢字とひらがなの大きさは10:8くらいにすると、読みやすくなりますよ。
大江さん
「字を書く機会は減ってきていると思いますが、手書きの方がより気持ちが伝わるので、ぜひ書くことを楽しんでみてください」