東京の伝統野菜の一つ『東京うど』。白い茎と葉はみずみずしくやわらかで、上品な味わい。昔から高級料亭などでも季節の味として好まれる貴重な食材です。
しかし、食べ方や調理法があまり知られていないため、なかなか手に取ってもらえないのが産地のお悩みでした。そこで今回、料理研究家の浜内千波さんに、誰でも簡単に作れる絶品レシピを考えてもらいました!
今回の舞台は東京の西部にある小平市。
昭和30年代から本格的に東京うどの栽培が始まり、現在は3軒の農家が冬のこの時期に収穫を行っています。この辺りは関東ローム層の粘土質で地盤が強いため、昔から地下に「うど室(むろ)」と呼ばれる穴を掘り、その中で育てています。
太陽の光を当てずに育てるため、白くてやわらかいのが特徴です。
『東京うど』の旬は3月いっぱいまで。
取材した小野義雄さんのうど室では3月中旬まで『東京うど』の収穫作業が行われています。
食べ方が分からず、なかなか手に取ってもらえないことも。
もっと多くの人に『東京うど』の魅力を知ってもらいたいです!
うどといえば上品な和食のイメージが強く、皮をむいたり、酢水にさらしたりと、“下ごしらえが大変!”と思われがち。しかし、浜内さんによると、やわらかくてみずみずしい東京うどは、生でも食べられるため、下ごしらえがいらないそう。
簡単においしく食べられるレシピを考案していただきました。
「うどを生で食べたら苦みやえぐみがあるのでは?」と思う方多いと思いますが、実は、苦みやえぐみの正体は栄養分のポリフェノール。
水にさらすと苦みやえぐみをとることができますが、栄養分も流れ出てしまいます。そこで、オリーブオイルでコーティングして苦みを感じにくくして、栄養を余すことなくいただきましょう。
●うどとフルーツのサラダ
<材料>(2~3人分)
・うど 200g
・酢 小さじ1/2弱
・デコポンなど春の果物 1個(150g)
※柑橘類やいちご・キウイフルーツなどでもおいしくいただけます
・オリーブオイル 大さじ1
・塩 小さじ1/2弱
・黒こしょう 適量
・粉チーズ 大さじ1
<作り方>
(1)うどは皮をこすり洗いし、斜め薄切りにして酢をまぶす
(2)デコポンを食べやすい大きさに切る
(3)うどにオリーブオイルを混ぜ込み、デコポン・塩・黒こしょうを混ぜて器に盛り、粉チーズを振りかける
酢や柑橘類などの果物と合わせると、白い東京うどの変色を防ぐこともできます。
イチゴやキウイフルーツでもおいしくいただけます!
旬の果物と合わせて、香りも一緒に楽しんでくださいね。
●うどステーキと肉ロール
<材料>(2人分)
・うど 200g
・酢 小さじ1
・豚肩ロ―ス薄切り 4枚
・オリーブオイル 大さじ1
・塩 少々
・こしょう 少々
・片栗粉 少々
【タルタルソース】
・うど 50g
※ステーキと肉ロールで余った部分
・マヨネーズ 50g
・塩 小さじ1/2
・粒マスタード 小さじ1
・砂糖 小さじ1
・黒こしょう 少々
<作り方>
(1)うどの半分を斜め1cm幅に大ぶりに切り、酢をまぶす
(2)残りのうども、斜めに切ったあと細切りにして、酢をまぶす
(3)豚肉をまな板の上に広げ、塩こしょうをして、細切りにしたうどを巻く
巻き終わったらしっかり握り、肉のつなぎ目に片栗粉を少々つける
(4)フライパンを中火で熱し、オリーブオイルを入れて1と3を焼く
※肉が厚い場合はフタをすると火が通りやすくなります
※うどは生でも食べられます。ステーキはお好みの焼き加減でお召し上がりください
(5)タルタルソース用の調味料を全て混ぜ合わせる
(6)うどの細い部分は小口切りに。葉の部分はみじん切りにして5と混ぜ合わせる
うどの魅力は香りとみずみずしさ。焼きすぎるとどちらも損なわれてしまうので注意してください。
これはきっとクセになるおいしさですよ!ぜひ、お試しくださいね♪