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気圧のせいで頭痛・肩こりも 梅雨の “気象病” セルフケアで快適に

  • 2021年6月8日

梅雨入り目前。どんよりとした曇り空の日が増えてきましたが、こんな日はなんとなく、頭が痛い、肩がこるという症状ありませんか?実はそれ、天気による不調「気象病」かもしれません。今回は気象病を専門に診ている医師に、簡単に症状をやわらげられる対策を教わってきました!

“気象病” とは?

実は、朝ドラ「おかえりモネ」のこんな場面でも…

「梅雨になると関節が傷みだしたり…気象病っていったりするんですけど、気温差や気圧の変化による血管の拡張など、ちゃんと天気との関連性が証明されているものもあるんですよ」

そもそも気象病とはどういうものなのか。
気温差、気圧の変化。天気による体調不調のことなんです。天気が変化しやすい梅雨時は、気象病になる患者さんの数が多いそうです。症状は多岐にわたっていて、頭痛やめまい・肩こり関節の痛みなど、人によってさまざま。

そこで、都内で気象病・天気病外来を開設している久手堅医師に伺いました。
先生によると、患者さんの特徴としては、7割が女性で低血圧の人に多いということです。そして小学校高学年から80代まで幅広い年齢層の人に症状が出ているそうなんですが、ことしは特に気象病の患者さんの数が増えているそうです。

久手堅医師
「コロナ禍で、コロナになるんじゃないかっていう精神的なストレスもありますし、リモートワークで家にずっといると運動不足になったり、昼夜逆転とか生活習慣が乱れて、それにより自律神経が乱れると気象病の症状も出やすいので、ことしはその傾向があります」

気象病をやわらげる 耳のストレッチ

自律神経は、耳と大きな関わりがあります。耳の奥にある「内耳」。ここで私たちは気圧の変化を感知して、脳にその情報が送られています。
ただ、この内耳が気圧の変化に敏感な人ほど、ちょっとした気圧の変化でも脳に異常を知らせる情報を過剰に送ってしまい自律神経が乱れる。自律神経が乱れることによって、頭痛やめまい、関節の痛みなどの症状を引き起こすと言われています。

この自律神経を整えるためにとっても効果的なのが、耳の血行をよくすること。
ストレッチ方法を先生に聞きましたので、みなさんも一緒にやってみてください。

<耳のストレッチ>
(1)両耳をつまんで横に引っ張り、離す
(2)耳たぶをもって前に、前回り5回、後ろ回り5回、上下に5回引っ張る
(3)耳の周りを指でもむ


耳の周りを指でもむのもおすすめ。血流がよくなり自律神経を整える効果があるということです。

ストレッチはやりすぎということはないので、気が付いたら耳周りをほぐすという習慣をつけておくのがいいそうです。

食べて改善! “梅干しヨーグルト”

もう一つ、手軽にできるセルフケアは食べもので。特に、腸の状態を整えると自律神経にもよい影響があるんだとか。そのため発酵食品を積極的にとるといいそうです。
先生が患者さんにすすめているのは「梅干しヨーグルト」。

久手堅医師
「梅干しを加糖や桃のヨーグルトなどに入れて潰して食べてみると、結構さっぱりしていけるんですよ。善玉菌が入ることによって腸の状態が良くなるので自律神経も整う。梅干しを加える理由は、熱中症の予防です。自律神経が乱れがちな人は熱中症にもなりやすく、だるさも感じやすい。塩分や疲れを改善するクエン酸が入っていて、必要なものが一度にとれます」

“気象病” と上手に付き合う

ただし、すぐに症状が治るわけではないので、気象病を自覚して上手に付き合うことも大切です。そこで先生はこんな対策もおすすめしています。

気圧の変化が激しい日を教えてくれるアプリ。
今、いくつかの会社がこうした情報を配信しています。これをみて「今日は警戒。静かに過ごしておこうかな?薬を飲もうかな?」と事前に対策をすることができます。

自分が気象病かもしれないということを自覚して、事前にできる対策を行っておけば、人によって症状もやわらぎますので、気象病と上手に付き合って過ごしてみてください。
ただし、朝起きられないほどの痛みや倦怠感があって生活が困難なときは、我慢をせずにかかりつけのお医者さんに相談して、自分にあったお薬を処方してもらうようにしてください。

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