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上田勝彦さんに聞く! 干物の新常識“揚げる”“蒸す”

  • 2021年5月25日

おうちごはんの強い味方、干物を存分に味わう方法を「ウエカツ」こと上田勝彦さんに教わる2回目。前回は、アジの干物のお吸い物を紹介しましたが、ほかにもまだとっておきの食べ方があるんです。今回は“揚げる”と“蒸す”。焼いただけでは味わえない、干物の新たなおいしさにびっくり!魚料理のレパートリーもぐっと増えますよ。

干物のから揚げ

ウエカツさんのおススメは「ホッケ」です。

ウエカツさん
「うろこがついた皮、これがパリッと香ばしく焼けたり揚がったりするとすごくおいしい」

【干物の下処理の仕方】
(1)表面についた酸化物や雑菌を取り除くため、流水でさっと洗い流す
(2)水分と表面の汚れをしっかりふき取る
※冷凍した干物は、酸化した脂が取れにくいため、熱めのお湯で表面が柔らかくなるまで洗い流す
※完全に解凍してから調理する


食べやすい大きさに切ったら、お酒でさらに臭みを徹底的に取り除きます。
そして、片栗粉の付け方が重要!その名も「二段粉」 1回目はうま味を閉じ込めるため。さらにもう一層重ねることでカリっとした食感に仕上がるんです。

●干物の唐揚げ
<材料>
・ホッケの干物
・酒
・片栗粉
・油(揚げ用)

(つけあわせ)
・玉ねぎ
・レモン
・みりん
・薄口しょうゆ
・すりごま

<作り方>
(1)ホッケを流水で洗い、しっかり水気を拭き取っておく
(2)キッチンバサミで、頭・ひれ・尻尾を切り落とし、食べやすい大きさに切る
 ※尾びれは、揚げると香ばしくなるので残しておく
(3)(2)の表面に酒をまぶして残った臭みを取り除く
(4)片栗粉を2回に分けて付ける
(5)鍋に油を注ぎ、皮目を上にして揚げていく。箸で叩いて固くなっていたらひっくり返す。目安は中火で2~3分程度
 ※背骨のついている身は、2度揚げすることで、骨までパリパリに仕上がります
(6)付け合わせの玉ねぎはスライスにして、水洗いをしてから、水気をしっかり切る。レモンとみりんを加え、甘酸っぱくなったら薄口しょうゆを加えて味を見る
(7)玉ねぎと(6)を混ぜ合わせ、すりごまを加えて、つけあわせのできあがり


揚げたてを食べてみると…

上村リポーター
「いい匂い!切り落とそうとしていた尾びれの部分がパリパリでおいしいですね!皮も全然気にならない。むしろ皮の方がうま味が多いですよね。干物のから揚げって味付けもしなくていいし、何で今までやらなかったんだろう!」

ウエカツさん
「皮目とひれ、二度揚げしているから骨まで全部かじれる。ぜひこれはかじり付いて食べてほしいね」

付け合わせには玉ねぎを。レモンやポン酢で味付けをすると、唐揚げもさっぱりいただけます。

干物のぷか蒸し

揚げ物の次は蒸し物。大きめの干物なら、なんでもOK!今回はキンキを使いました。

うろこをとって水洗いをしたら、火が通りやすいように切れ目を入れておきます。
きのこやピーマンにんじんなど、たくさんの野菜と一緒に蒸すのがウエカツ流。

ウエカツさん
「干物からしみ出る味で、他の野菜がおいしく食べられる。干物は塩が入って、なおかつ水分が飛んで旨味が凝縮しているので、言ってみれば調味料代わりにも使える」

●干物のぷか蒸し
<材料>
・キンキの干物(大きめの干物)
・えのき
・ピーマン
・にんじん
・たまねぎ
・長ネギ
・コショウ
・薄口しょうゆ
・塩
・お好みの油
・アルミホイル

<作り方>
(1)干物は、うろこがあるときは落としてから水洗い。しっかり水気を拭き取り、身が厚い場合は切れ目をいれておく
(2)ピーマン・玉ねぎ・にんじんは同じ長さに細切り。長ネギも長さをそろえて斜め切りしておく。野菜ときのこに一つまみの塩で下味をつけておく
(3)アルミホイルを2重に重ねて魚より大きめの器を作る
(4)(3)に、干物と野菜・きのこを入れて、コショウ・薄口しょうゆ・お好みの油を回しかける
 ※ごま油でもオリーブオイルでもなんでもOKです
(5)フライパンに(4)を入れ、横から水を入れる
(6)中火にかけ、沸騰したら火を弱めて水がなくならないように気を付けながら10分から15分ほど蒸す
(7)身が骨からすーっと剥がれたら、火が通った合図
(8)アルミホイルごとお皿に乗せ、最後に手で破って外すと美しい仕上がりになります


フライパンの上でアルミホイルの器をぷかぷかお湯に浮かせて蒸す「ぷか蒸し」。
これだと蒸し器がなくても大きい魚が蒸せますし、熱伝導もよく、蒸し上がったあとも、熱くなってしまう陶器のお皿と違って手で持ちやすいと、いいことずくめ。
好みの大皿にドーンとのせて、ホイルを破って取ってしまえば主役級のごちそうになります。

上村リポーター
「身は弾力がありつつふっくらとしていて、食べ応えがあります。塩としょうゆをちょっと入れただけなのに、うま味が強い。干物ってすごいですね」

ウエカツさん
「干物は食材であり調味料であり、メインのごちそうにもなる。干物は焼くのみにあらずだよ!」

紹介したレシピは基本の作り方ですが、セロリやオリーブオイルを入れれば洋風に。パクチーやしょうゆの代わりにナンプラーを入れればアジアン風にもなり、さまざまなレシピに変化させることができます。

干物だったら“焼く”など、素材はこうやって料理するものと、固定概念にとらわれがちですが、おうちでご飯を食べる機会の多い今こそ、自由な発想でお料理を楽しんでみてください。

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