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知らずに使うと危険! コロナ禍で広がる “殺菌ランプ”

  • 2021年3月2日

すっかり習慣の一部になった家の中の除菌や殺菌。関心がますます高まる中で、"手軽に空間や物の殺菌ができる” と注目を集めているのが紫外線を使った「殺菌ランプ」です。
しかしこの殺菌ランプは、使い方を誤ると「やけど」や「目へのダメージ」など健康被害を生じる危険性が大きいとして、いま業界団体や専門家が警鐘を鳴らしています。

コロナ禍で広がりを見せる “殺菌ランプ”

ネットの通販サイトで紫外線殺菌をうたった商品を目にします。効果と手軽さを売り文句にしています。

殺菌作用のある紫外線を出す “殺菌ランプ” は、スマホやマスク、衣服などの除菌ができるとしてコロナ禍で大きな広がりを見せています。

もともと殺菌ランプは病院や工場など、殺菌を必要とする業務上の用途に限って活用されてきました。
しかし、殺菌ランプの光は、人体に照射すると皮膚や目に障害が出るため、点灯中は無人の状態にすることや、光を外に出さないことなど厳重な管理が必要です。

殺菌ランプ 深刻な健康被害のおそれ

家庭などへの商品の広がりに警鐘を鳴らしているのが、殺菌ランプを製造販売する業者が加盟する、日本照明工業会です。

殺菌ランプは、人体に照射されないよう正しく使わないと、目や皮膚を痛めてしまう事故の可能性があるとして、注意を呼びかけています。

照明工業会・鈴木さん
「 “殺菌” という言葉だけが先行している。用途を選んで使うとメリットは大きいですが、デメリットの部分がなかなか伝わりきれていなかった。雪や夏の日にやける環境よりも全然強い紫外線が殺菌ランプから出ますので、日焼けのような状況が強く発生したり、目やにがでて目が開かなくなってしまうとか、目に障害が残ってしまう危険もあります。効果のない製品と、効果が強いため使い方に気をつけないといけないものが一緒に通販で扱われている。こういうものが普及してしまうと、本当に効果がある紫外線殺菌というものが否定されてしまうことになりかねない」

実際ことし1月には「飲食店に置かれていた殺菌ランプでやけどを負った」という告発がありました。

効果は限定的

また、専門的な知識が無いままに殺菌ランプを使用しても効果は限定的だと、紫外線の人体への影響に詳しい、東海大学工学部の竹下秀准教授はいいます。

竹下さん
「殺菌で使う場合は、とにかく紫外線が届いているところしか使えないということ。また、光源からの距離が離れるとエネルギーが弱くなりますので、遠く離れてしまっては全く殺菌できないという場合もあります」

竹下さんが、殺菌ランプを部屋の天井に設置した場合の殺菌効果について、検証した映像があります。

「殺菌効果の大きさ、一番大きいのは殺菌灯の真下です。この降下量を1.0とします。そうするとソファーの背もたれのところでは効果が大体30%くらい減少します」

紫外線の特徴です。

光は、広がって行く性質があります。そのため、光源から離れるとエネルギーは弱まります。また、光は曲がらず直進するため、物陰には届きません。
さらに紫外線は物の表面で吸収されるため、物自体を傷つけてしまうおそれがあります。

竹下さんは、殺菌ランプの適切な使用は一般の人には難しいことが多いため、新たに導入する際は、必ず専門家に相談すべきだといいます。

竹下さん
「UV殺菌(紫外線殺菌)というのは専門家用の技術だと思います。ですから、一般の人が気軽に家庭に導入しないでいただきたい。メリットよりもリスクのほうが大きいからです。ある程度の面積を照射しないといけませんから現実的な使い方ではないと感じます。それよりはアルコールで拭いていただいたほうが効果が確実で、物の表面も傷めないと思います。導入する場合は、昔からUVの殺菌灯を使った器具を扱っている会社にコンタクトをとって、説明、相談をした上で導入していただきたいと思います」

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