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新潟の錦鯉 コロナ禍で海外向けネット販売の新戦略

  • 2020年11月26日

国内の「ニシキゴイ」の6割を生産する新潟県。ことしは新型コロナの影響で、売り上げの大部分をしめる海外からのバイヤーが来られなくなりました。
そこで始めたのがネット販売という新戦略。購入後の不満が出ないよう、こまやかな配慮も必要なようです。

ニシキゴイ 越冬の引っ越しシーズン到来

色鮮やかな模様が特徴のニシキゴイ。
海外で人気が高まり、新潟県では出荷のおよそ8割が輸出。1匹 数千万円で取引されることもあります。

11月上旬、新潟県長岡市の山間部の池で大きく育ったコイを、越冬のために移動させる作業が行われていました。

来られない海外バイヤーたち

ハウスの池では、コイの姿をじっくり見られるため、例年この時期、海外から多くの愛好家やバイヤーが訪れます。
しかし、ことしは新型コロナウイルスの影響でほとんど来られなくなりました。
毎年、多くの外国人との取引のきっかけとなっていた品評会も…

ことしは、来場者を県内からのみに限定せざるを得ませんでした。

全日本錦鯉振興会 新潟地区長 伊佐 光徳さん
「海外のバイヤーは来日できない。飛行機の便数もすごく減っている。直接自分の目で選べないので…。ニシキゴイのいいものは高値になるので、買いづらいと思う」

地域をあげて動き出したネット戦略

現地に来ることのできない海外のバイヤーにどうコイを売り込むのか。
小千谷市にあるシステム開発会社では、生産者たちと共同で、新潟県内のニシキゴイの写真や動画をウェブ上で一括表示できるサイトを立ち上げました。

「インスタグラムみたいなところを意識してつくっています」
サイト上には、コイの品種や性別、年齢や大きさなどの情報が載っており、気になったコイがあれば、生産者や流通業者と直接連絡を取ることができます。

サイトの開発者 和田正樹さん
「いろんな人の、いろんな種類を見てもらえたら楽しいんじゃないかと。ここにいいコイがいる。でも外国人は来られない。じゃあそれを見てもらおうと」

こまやかなやり取り 必要不可欠

小千谷市でコイの流通業を担う川上友貴さんは、アメリカ留学経験をいかし、海外のバイヤーがオンラインでコイを購入する際のやりとりを担っています。

バイヤーは直接ニシキゴイを見ることができないため、購入後不満が出ないよう、より細かな確認が必要になりました。

「この一本が…『目に紅がかかっているけど大丈夫?』って。アメリカ人のお客さんは赤目を嫌う。目が赤い魚」

写真だけではわかりにくい目の特徴。さらに…

「拡大すると、ちょっと紅が出ている。真っ白のほうが好まれるんですけど」
見過ごされがちな背中の模様についても、一つ一つ写真や動画を交えて確認していきます。

客からの要望に応じて自ら動画を撮りに行くことも多いといいます。

「長く撮ってくれとか、横から撮ってほしいという要望もある。上からだけでなく、横から見ると模様があったり、墨があったりする」

こうした取り組みを重ねることで買い手も徐々につき始めています。

コイを購入した外国人
「取引にすごく満足している。コイの動画と写真を一匹ごとに撮って送ってくれた。だから全部買うよっていったんだ」

寅蔵浦川養鯉場 川上友貴さん
「コロナ禍の状況にめげずに、ニシキゴイ産業のため、地元のために、私に今できることをひとつひとつ頑張っていきたいと思っています」

新潟県の「ニシキゴイ」の業界団体では「バイヤーや愛好家だけでなく、ニシキゴイにあまり親しみのない人にも買ってもらえるよう、安価なコイの情報も積極的に発信していきたい」と話しています。

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