1. NHK
  2. ちかさとナビ
  3. おはよう日本 関東甲信越
  4. あの荒川が増水で危険水位に 台風19号から学んだ早めの避難

あの荒川が増水で危険水位に 台風19号から学んだ早めの避難

  • 2020年10月16日

「台風19号から1年」。去年、さいたま市では、荒川の増水などで浸水被害が相次ぎ、避難のあり方に課題を残しました。あれから1年。住民や企業は教訓をいかし、早めの避難に向けて模索を続けています。

想定外のはやさで増水

さいたま市西区で、避難訓練が行われました。

去年の台風被害の教訓をいかし、いち早く避難する意識を高めてもらうのがねらいです。

馬宮地区の自治会連合会の会長を務める木下國臣さんは、あの日、近くの荒川の増水を目の当たりにしました。
「教習所がありますが、あの辺りが水につかっていた。完全に危険水位になった」

荒川の水は、近くの自動車教習所を飲み込み、氾濫の危険性が高まりました。

こうした水害に備え、木下さんの自治会はあらかじめとるべき行動を時系列でまとめたマイ・タイムラインを作成していました。

台風の1週間前には、およそ3600世帯に配付し、住民が余裕を持って避難する態勢を整えていたはずでした。

しかし、荒川に入間川の水が大量に流れ込み、予想よりも早く増水。避難の呼びかけが、思うように住民の行動につながりませんでした。

木下さん
「想定外だったということですね。私たちが考えている避難の時間帯にずれがあった」

マイ・タイムライン見直しへ

「今年で変えたところは、避難をいつの時期にやればいいか。馬宮全体で警戒レベル3になったら行動を起こしましょう」
去年の教訓から、マイ・タイムラインを改善。荒川の急な水位の上昇に対応できるよう、より早い段階で避難する計画に見直しました。

木下さん
「この地域から1人も犠牲者を出したくない。皆さんが意識を持つということが大事かなと」

青果市場の悔しい思い

早めの避難は、商品を取り扱う企業にとっても大きな課題です。

さいたま市桜区の浦和中央青果市場。
去年、増水した荒川の水が支流に逆流しないよう水門が閉鎖されました。
水門の周辺ではポンプを使って排水が行われたところもありましたが、行き場を失った水で市場は浸水。

520トンの商品が廃棄に追い込まれるなどして1億2000万円を超える被害が出ました。

市場関係者
「想定外だった。ここまで水が入ってくるとは思っていなかった」

「農家さんにも申し訳ないですし、消費者の方にも届けたかったので、悔しい思いはしました」

新たな手だて “商品の避難”

市場の防災対策を担当している伊澤浩助さんは、あの日の教訓から新たな手だてを講じています。
その1つが商品を置く際のかさ上げです。

伊澤さん
「通常は、下のパレット1枚に荷物を置くという形ですね。対策としましては、高積みした上に商品を置く形になります」

ほかにも、ラックの上も活用することにしましたが、すべてを高い所で保管することはできません。
そこで伊澤さんが考えているのが、高台にある支社への “商品の避難” です。

「所沢支社が、だいたい12、3キロくらい」
高額な商品など、優先順位をつけて運ぶことを検討していますが、商品をスムーズに “避難” できるよう、川の水位や水門の情報などをいち早く手に入れられるかが重要になってくると感じています。

伊澤さん
「自社でできること、1人1人ができることは限られています。市、県、国との協議も含めて、継続的に行っていくことが必要だと思っています」

ページトップに戻る