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台風15号(2019年)被害の新島 石造りの街並みを修復

  • 2020年9月8日

伊豆諸島の新島には「コーガ石」と呼ばれる島にしかない石があります。この石を使った伝統的な建物が、去年の台風15号で被害を受けました。被害から1年となろうとする今、修復に向けて島の内と外が力を合わせる動きが始まっています。

新島の伝統的な建物に被害 修復には困難が

およそ1400世帯が暮らす東京・新島村。去年の台風15号で、500棟以上が被害を受けました。被害から1年。島の施設や建物の多くが復旧しましたが、まだ手つかずの建物があります。建物には「コーガ石」という、新島でしか採掘されていない石が使われています。

「ここまで被害を受けるとは思ってなかったですね。ちょっと大変な状況ですね」

コーガ石は軽くて加工しやすいことが特徴ですが、いまでは、この石を扱うことができる職人はごくわずか。修復に向けた壁となっています。

石造りの家が連なる風景 島の魅力を伝えたい

壁にも屋根にもコーガ石が使われた島の家。石造りの家が連なる風景は、訪れる人を魅了してきました。5年前に移住した宮川由美さんも、コーガ石の魅力にひきこまれたひとりです。

宮川由美さん
「すごい雰囲気のある石だなと思って」

島の魅力を伝えるために宮川さんは「にいじまぐ」というフリーペーパーを発行することにしました。その創刊号の特集はコーガ石です。

コーガ石とともに暮らす島の人たちの姿、わずかとなった職人の姿などを伝えてきました。それだけに台風の大きな被害はショックでした。

宮川由美さん
「今やらないと、必ずなくなっていく景色だなという気持ちがすごく強い。力を合わせて守っていきたいという気持ちがすごくあります」

島外の専門家と力を合わせて…

宮川さんたちが協力を求めたのは、島外の専門家たちです。その中の一人、法政大学デザイン工学部の金谷匡高さんは、コーガ石の街並みについて、学生とともに調査に取り組んでいます。

そして去年の台風15号。金谷さんたちは台風の1か月後、島を訪れ、コーガ石の建物の被害状況を調査しました。

コーガ石に関する専門知識で修復を支援しようと考えていましたが、思いもよらぬことが起きました。新型コロナウイルスの感染拡大です。以降、金谷さんたちが島に足を運べたのは一度だけで、思うように作業を進められない状況となってしまいました。

まず “いまできることから”

今月2日、新島の宮川さんたちと島外の専門家たちでオンライン会議を開催。
20年以上コーガ石の研究を続けている、「抗火石(建造物)調査会」の石井さんを筆頭に、島の伝統的な景観を守るための意見が交わされました。

抗火石(建造物)調査会 石井榮一さん
「今後、どういう形でコーガ石の建物を残していくべきか。その道筋を、皆さんと一緒に考えていきたい」

梅田久美さん
「まだ技術を伝えられる方は何人かいらっしゃるので、そういう方から若い人に技術を受け継いでもらえれば、一番ありがたい」

金谷匡高さん
「島の子どもたちにコーガ石を知ってもらうことで、今後のコーガ石の活用につながっていく、建物の活用につながっていくのではないか」

島の魅力となっているコーガ石の街並み。宮川さんは修復や保存に向けて教わりながら一緒に頑張っていきたいと感じています。宮川さんと仲間は、島の外とつながりながら、コーガ石を守る一歩を踏み出そうとしています。

宮川由美さん
「いまできることは何かなっていうところで考えていく。うまくみんなで連携して、やっていけることを見つけていけたらいいなと思っています」

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