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特別支援学校 コロナ禍で進路の確保に課題

  • 2020年9月1日

新型コロナウイルスの影響は、特別支援学校に通う障害がある生徒たちにも及んでいます。卒業後の進路を決めるために必要なのが、施設での事前の体験です。しかし今年は、感染リスクなどから事前体験が難しく、どう進路を確保するのかが課題となっています。

進路選択に不可欠な実習 コロナで異変

横浜市保土ケ谷区にある「上菅田特別支援学校」には、知的障害や身体障害がある生徒が通っています。
卒業後の進路は、障害の程度が軽い人は作業所に進みますが、重い人は福祉施設で介護を受けながら集団生活を送ることになります。
進路を決めるには現場での事前の体験が欠かせませんが、新型コロナの影響で例年の4割ほどしか実施できていないといいます。

進路担当 相田泰宏教諭
「進路担当という立場で、いつ実習ができるのか分からないという、見通しがつかない一方で、でも卒業は絶対にやってくるので、どうやって進路を決めていけばいいんだろう」

この学校に通う高等部3年生の田中花歩さんは、2歳の時に運動機能の低下や知的障害を起こすレット症候群と診断され、車いすで生活をしています。
卒業後は福祉施設で集団生活を送ることにしている田中さん。自分に合った施設を見つけるため、3か所での事前の体験を予定していました。

母・朋子さん
「娘はペースト状のものでないと のどを詰まらせてしまうので、食事が大丈夫かなど、その場に行って体験するのはすごく大事だと思っています」

しかし、受け入れ先が新型コロナの感染リスクを心配し、日程は延期され続けてきました。今月(9月)も予定されていますが、実施できるかどうか不安は尽きないといいます。

母・朋子さん
「娘はちょっと風邪をひいても入院になってしまうことが多いので、万が一 体調を崩して、決まった日程で行けなかったら…とすごく心配しています」

実習に行けなくても情報を伝えたい 先生の模索

こうした中、特別支援学校では自ら受け入れ先の施設に足を運んでいます。 
感染リスクを恐れて現場での体験をためらう生徒もいるため、教員が施設の様子を撮影します。

相田泰宏教諭
「外部の方と接触するとか、外出することそのものを懸念される方がいて、直接見に来てもらうことができないので、少しでも代わりとなるように映像を撮って、後日見てもらうことで少しでもその雰囲気を感じてもらえたら」

映像は障害のある人が分かりやすいよう解説をつけ、教員自ら編集します。

『こちら奥に行くと、トイレとかお風呂があります。トイレは身体障害者用なので、リフトが付いていて非常に広いです。お風呂も比較的広いスペースになっています』

事業所と連携

さらに、感染の終息が見えない中で、受け入れ先との連携を進めています。
この日は、食品などを扱う作業所で、オンラインでの実習の可能性を話し合いました。

相田教諭
 「オンラインで双方向でできた方がよりお互い話もできるし『今の作業は何ですか』とか、『それってどうやるんですか』とか、説明がリアルタイムでできる方がより実習に近いかなと思います」

作業所の職員 
「そこは施設側も環境を整えていかなくてはいけないので、一緒に教えてもらいながら」

相田泰宏教諭は「第2波、第3波が来るかもしれないし、たとえ進路先が実習をさせてくれると言ったとしても、実習ができない。なんとか今までやっていた実習をやらなくても、進路選択・決定ができるような方法はないか」と話していました。

新型コロナの影響で例年のような対応が難しい中、進路を確保するための模索が続いています。

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