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福祉事業所が作るガウン 地域の感染予防に一役

  • 2020年8月26日

新型コロナウイルスの感染予防のため医療従事者が使うガウン。横浜市の寿地区にある診療所のガウンは手作りです。作っているのは、地元の福祉事業所で働く人たち。地域の住民が助け合いながら、感染症対策に取り組んでいます。

手作りガウンで新型コロナ感染予防

横浜市の中心部の寿地区では、およそ120か所の簡易宿泊所に、多くの高齢者が暮らしています。
地区にある「ことぶき共同診療所」には、毎日3人ほどの発熱した患者が来院しています。待合室に発熱専用の診察スペースを設けるなどして、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めています。

感染予防のため医療従事者が使うガウン。この診療所では手作りのガウンを使っています。医療従事者が使いやすいように工夫がされています。

ことぶき共同診療所 鈴木伸 院長

鈴木伸 院長
「ガウンがあるのは安心です。脱ぎやすいように設計されていますし。ガウンを脱ぐときが一番大事でスパッと脱げないと感染してしまうので」

ガウンの作り手は地元の福祉事業所の通所者

ガウンを作っているのは、同じ寿地区にある、精神に障害がある人たちなどが通う福祉事業所です。透明なシートを机に広げ、自前の型紙に合わせてはさみを入れ、テープで貼り合わせて作っています。

事業所では、これまで、手作りのお菓子をイベントなどで販売して、収入を得ていました。しかし、新型コロナの影響でイベントは中止に。働く人の作業時間が減り、工賃も減らさざるを得ませんでした。

福祉事業所で働く女性
「仕事がなくなってくると、本当に寂しいです。お金の額だけじゃなくて、気持ちのうえでちょっと張り合いがなくなってしまったなと思います」

そこで作り始めたのが、ガウンです。今では仕事の半分がガウンづくりで、作業時間と工賃もほぼ元に戻りました。

福祉事業所で働く男性
「みんなが慣れてきて、どんどん作れるようになって。張り合いがあると思います」

地域の支え合いで新型コロナ対策

別の福祉事業所で働く鶴見福司さんは、ガウンづくりの発起人の一人です。鶴見さんも感染拡大で仕事が減ったことに頭を悩ませていました。そんなとき、地元の診療所でガウンが足りないという話を聞き、NPOや支援者などから資金や材料を集め、ガウンづくりを始めました。

鶴見福司さん
「医療機関で実際に使えるレベルで作りやすい。できるだけ簡単にできるように、材料費もかからないほうがいいです」

福祉事業所で作られたガウンは、高齢者が多く暮らす寿地区の簡易宿泊所にも配られています。
調理場やシャワー室が共用のことが多い簡易宿泊所。感染予防に細心の注意をはらっており、ガウンを必要としていました。

地域で必要とされるガウンを地元で作る。支え合いで新型コロナウイルスから地域を守る取り組みです。

大平正巳さん
「私たちは、住民の方がいかに安心して暮らせるか、宿泊できるかっていうことに力を注いでいく役割。作業所の人たちは必要とされているガウンを作り、そこの利用者を守る。それぞれ皆さん自分の領分を守りながら感染対策という横の線でつながっている。何かこの街らしいかなと思います」

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