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  • 2024年4月26日

「北とぴあ」「TOCビル」改修や建て替え計画なぜ見直し?資材高騰など再開発に影響

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東京都内をはじめ首都圏各地で再開発事業が進められていますが、大阪・関西万博でも懸案となった世界的な資材価格の高騰などが計画に深刻な影響を及ぼしています。こうした中、王子駅前の複合文化施設「北とぴあ」の改修について東京・北区の山田加奈子区長は、費用が当初の2倍近くかかる見通しとなったとして計画を見直すことを発表しました。コスト上昇に直面した現場の状況をまとめました。

「北とぴあ」改修 当初見込み100億円が190億円に

王子駅前の複合文化施設「北とぴあ」は、平成2年にオープンした、ホールや会議室などを備える17階建ての複合施設です。老朽化が進み、来年度から2年間休館して、大規模な改修を行う予定でした。

しかし、資材や物価の高騰の影響で、当初100億円程度と見込んでいた改修事業費が、2倍近くの190億円に増える見通しとなったことから、計画を見直すことにしました。

北区 計画をいったん白紙に

すでに、事業者とは4億4000万円あまりの設計業務の委託契約を結んでいるため、この段階で中止することは異例だということです。

 

大きな金額で驚きました。みんなの税金ですから、見直しはやむを得ないのではないでしょうか。

 

物価もあがっているので改修費用が高くなるのも仕方ないのではないか。

 

区は、計画をいったん白紙に戻して、電気設備や配管など、施設の維持に必要な修繕を行いながら、2年ほどかけて、改修内容の見直しやコスト削減を図る方法などを検討し、新たな計画をまとめるとしています。

北区 山田区長
「このまま進めることの損失の方が大きいと判断した。赤羽や十条など、これから多くの再開発も予定されており、なにがベストなのかをいったん立ち止まって考えたい」

「TOCビル」も建て替え計画見直し

また、東京・五反田の大型複合施設、「TOCビル」は建設から50年以上が経ったことなどから3年前、地下3階、地上30階建ての高層ビルに建て替える計画を公表し、ことし3月にビルが閉館しました。

しかし、建築費の高騰やビルの賃貸市場の状況を踏まえて、より収益が得られるよう当初の計画を見直すことになりました。
建て替えの着工時期は2033年ごろを想定していて、一定の期間がかかることから、閉館しているビルはことし9月頃に営業を再開する予定だということです。

“3年前から資材がこれまでになく高騰し高止まり”

ゼネコンなどで作る「日本建設業連合会」は、資材や人件費の上昇について状況をデータでまとめて公表していて、工事の発注者に価格への理解を求めています。

金井甲専務理事
「3年前から資材がこれまでになく高騰し、高止まりが続いている。人件費については、賃上げに加えてことし4月からの労働時間の規制強化のほか、担い手不足もあって今後も上昇しそうだ。いまの状況だとそう簡単に工事費が下がる状況にないと考えている」

関西万博 コスト上振れへの対応が課題に

2025年4月に開幕する大阪・関西万博では、会場建設費や運営費といったコストの上振れへの対応が課題になっています。このうち、会場の建設費は、シンボルとされる「大屋根」のほか、催事場や迎賓館、電気や通信といったインフラ設備などの費用が含まれます。

当初の計画では、1250億円と見込まれていましたが、▽2020年に「大屋根」の設計変更などを理由に1850億円に引き上げられ、さらに、▽2023年、資材価格や人件費の高騰を受けて、最大2350億円に上振れするという見通しが示されました。

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