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越谷・取手 “り災証明書受付始まる” 内水氾濫相次ぐ地域で何が?

  • 2023年6月5日

3日までの大雨で関東でも埼玉や茨城で浸水の被害が相次ぎました。
被害のあった埼玉県越谷市や茨城県取手市では、住宅が被害を受けたことを示す「り災証明書」の申請の受け付けが始まるなどしています。
大雨が降り、排水が追いつかなくなる「内水氾濫」が過去にも発生している越谷市で何が起きていたのか、取材しました。

片づけ作業に追われる 茨城 取手市

今回の大雨でおよそ600棟が浸水被害を受けた茨城県取手市の双葉地区の住宅地では、浸水から3日目を迎え、地域の人たちが片づけ作業に追われています。

このうち、地区の一角にある「つつみ幼稚園」では、職員たちが総出で片付けにあたり、教室で水につかったマットなどをはがし、室内を掃除していました。

幼稚園の理事長は「おととい、水かさが下がってから園を見に来たが、中はめちゃくちゃになっていた。教室が水につかって下に敷いていたマットも浮き上がっていた。園はきょうは休みにしたが今後どうするかは決まっていない」と話していました。

また、地区に住む森川哲さんは、床上浸水の被害にあい家具などが使えなくなったほか、乗用車2台が浸水して動かなくなったということです。

森川さんによりますと、「妻と2人で押し入れに避難した」と話していました。

一方、午前9時半ごろ茨城県の大井川和彦知事が現場を訪れ、取手市の担当者から話を聞くなどして地区の被害状況を確認しました。

大井川知事は、その後、雨水などを排水する2か所のポンプ場などを視察しました。

視察の後、大井川知事は「ひとり暮らしの高齢者も多く、片づけなどが困難だと思う。災害ボランティアの協力も得て支援する体制を取手市と連携してとっていきたい」と話していました。

浸水被害 各地で相次ぐ

3日までの大雨で関東では、浸水などの被害が相次ぎ自治体は調査を進めています。

4日午後6時までのまとめで、床上浸水・床下浸水が茨城県では取手市などであわせて659件、埼玉県では、越谷市と松伏町であわせておよそ3700件にのぼり、このほかの市でも被害が確認されています。

24時間雨量 観測史上最多となった越谷 何が起きた?

その、越谷市では、3日朝までの24時間の雨量が観測史上最多を観測しました。
弥栄町2丁目の自治会長を務める臼倉誉治さんの自宅も床下浸水の被害が出ました。
臼倉さんによりますと、この地域で雨が降り始めたのは2日の昼過ぎだったといいます。

臼倉誉治さん
「昼過ぎて1時すぎあたりから降ってきました。3時ぐらいまで降って一部、水が出て、そのあと小康状態になりました。それで冠水した道路も水がはけて下水溝をみたら水位が下がっていました」

雨はいったん弱まりますが、夕方ごろから再び強まってきたといいます。

臼倉さん
「4時から5時のあいだくらいに降ってきました。そのときに道路のあちこちが浸水していました。雨は強く降ったり、通常の状況になったり、繰り返して10時すぎから強くなりました」

夜になって、地域の住民から「水が道路にあふれ出して心配だ」といった連絡が入っていたということです。
臼倉さんが、午前1時ごろ就寝した時、自宅の浸水被害は確認できませんでしたが、早朝に確認すると、床下浸水していたということです。

臼倉さん
「予想だにしなかった雨で床上浸水のあたりが心配だった」

自治会では、住民に災害への意識を高めてもらおうと、地域の災害リスクや過去に浸水した際の情報などを掲載したガイドを全戸に配布しています。

臼倉誉治さん
「水害に弱い地域ということで常に防災団として意識しているのは二丁目の自治会がワンチームだということでみんなで助け合ってやっていこう考えています」

り災証明書の受け付け始まる 埼玉 越谷市

3日までの大雨で浸水被害が相次いだ埼玉県越谷市で住宅が被害を受けたことを示す「り災証明書」の申請の受け付けが始まりました。

越谷市では、3日朝までの24時間に観測史上最多の260.5ミリの雨を観測し、市によりますと、これまでにわかっている被害は、床上浸水がおよそ500件、床下浸水がおよそ2400件にのぼるとみられるということです。

市役所の1階には5日から臨時の窓口が設けられ、公的な支援などを受けるために必要な「り災証明書」の申請の受け付けが始まりました。

訪れた人たちは自宅の被害の状況などを書類に書き込んで申請していました。

申請に訪れた40代の夫婦は「床上浸水して畳や断熱材が濡れてしまいました。水は膝のあたりまできていました。片付けは半分ぐらい終わりましたが、きょうも続けます」と話していました。

越谷市危機管理室の湊谷達也危機管理監は「多くの方が災害に遭われた中で市として迅速に対応し、1日でも早く、市民が元の生活に戻れるようにしていきたい」と話していました。

「り災証明書」の申請は、今回の大雨で被害が出た越谷市に隣接する松伏町や草加市など、被害が確認されている複数の自治体でも受け付けています。

越谷…過去にも内水氾濫が!

越谷市では、都市化が進んだり、気象状況の変化などで大雨が降り排水が追いつかなくなる「内水氾濫」が過去にも発生しています。
平成に入ってから台風の時を中心に少なくとも10回、浸水した記録があります。

越谷市 大徳昭人 建設部長
「東北豪雨402ミリですが、約3日間に降った雨になる。今回の300ミリの雨は、ほぼ1日と半ぐらい短期間で降った雨になっていて、一気に水かさが増していったというのは傾向になっている」

「市民の方においても気象予報を確認いただいて、市から発出される連絡を確認いただいて早めの行動、避難行動なりとってほしい」

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