ことしは海やプール、それに川などに出かけようと考えている人も多いのではないでしょうか。
そんなときに欠かせないのが日焼け止めだと思いますが、その日焼け止めに「SPF」や「PA」とともに、新たな表示が加わっているのをご存じでしたか?
それが「UV耐水性☆」とか「UV耐水性☆☆」なんです。(★の場合もあります)
新たに加わった表示は、どんな意味があるのか?
そして、どのような場面で使えばいいのか、まとめています。
夏のレジャーに欠かせない日焼け止め。
紫外線から肌をどのくらい守るのか表したものが「PA」と「SPF」という表示です。
そもそも人への影響があるとされている紫外線は、主に2種類あります。
そのひとつが「UV-A」。
皮膚の奥にまで届き、大きなしわやたるみの原因にもなります。
この紫外線をどのくらい防いでいるか示したものが「PA」です。
「PA+」とか「PA++」など、+の数が多くなるほど、その効果は高くなります。
そして、人への影響があるとされる、もうひとつの紫外線が「UV-B」です。
肌の表面に入って日焼けを起こしたり、しみをつくったり、皮膚を乾燥させて小さなしわの原因になったりする紫外線です。
この紫外線から肌をどのくらい守っているか、表したものが「SPF」です。
「SPF28」や「SPF50+」など数字が大きいほど、効果が高くなります。
こうした表示を参考に、これまでは日焼け止めの品定めを行っていたのではないでしょうか?
そんな日焼け止めですが、新たに加わった表示があるんです。
それがに「UV耐水性☆」と「UV耐水性☆☆」(★の場合もある)というものです。
文字通り、どのくらい水に強くて落ちにくいのかを示しています。
これまで日焼け止めの耐水性について各メーカーは「ウォータープルーフ」とか「水に強い」などと表示し、その効果を消費者に伝えてきました。
しかし、業界内に統一の測定方法や基準はなく、各メーカーが独自に試験を行い、その結果をもとに表示していたため、商品によって効果にばらつきがあったのです。
そのため、以前から耐水性の基準づくりを模索してきた化粧品メーカーなどでつくる業界団体は、国際標準化機構=ISOの規格をもとに自主基準を定めることとなったのです。
具体的には、「UV耐水性☆」と「UV耐水性☆☆」というもので、耐水性について2段階で示しています。
そこで「UV耐水性☆」と「UV耐水性☆☆」の違いを説明します。
「UV耐水性☆」は、40分水に浸かってSPFの値が水に浸かる前の50%以上維持されていることを示します。
また、「UV耐水性☆☆」は、80分水に浸かり、SPF値が入る前の50%以上維持されていれば、☆印が2つになります。
より耐水性が優れているのが「UV耐水性☆☆」となるわけです。
では、「UV耐水性☆」と「UV耐水性☆☆」を、どのように使い分ければいいのか?
新たな基準を設けた日本化粧品工業会に聞きました。
水温や水の中での動きなど条件が人それぞれ違うため、一概に言いにくいとしながらも、「UV耐水性☆」を使用する場面は、川辺で遊びをしたりするなど水を浴びる際に使用することを推奨しています。
また、海やプールなど水の中に入る際は「UV耐水性☆☆」を使うことをオススメしているということです。
「UV耐水性」の表示は、2022年12月1日から2024年11月30日までは経過措置となっていて、2024年12月から出荷される商品から「UV耐水性☆」、または「UV耐水性☆☆」と表示されます。
日本化粧品工業会 畑尾正人 科学部長
「日焼け止めを使う場面を考えると、海水浴やプールなど水にまつわることが多く、これまで耐水性に関する統一基準がなかったため、曖昧な部分があった。今後は新しく加わった表示などを参考に最適な日焼け止めを消費者に選んで欲しい。また、UV耐水性の表示の有無にかかわらず、日やけ止めの効果を保つためにも2時間から3時間を目安にこまめに塗り直して欲しいです」