大手電力7社による電気料金は6月の使用分から値上げされます。各社の電気料金の値上げ幅や、家庭の負担額についての経済産業省の試算などをまとめました。
家庭向けで契約者が多い「規制料金」をめぐっては、東京電力など大手電力7社が5月16日、エネルギー価格が下落したことし1月までの3か月間の燃料費をもとに算定し直すなどとする政府の査定方針に基づいて改めて値上げの申請を行いました。
各社の値上げが19日、経済産業省から認可されたことを受けて、6月の使用分から規制料金の値上げが実施されます。
送配電網の利用料金の改定分を含めて比較した値上げ幅の平均は次の通りです。
各社の規制料金の値上げ幅は、すべてのプランの平均で当初の申請より圧縮されることになります。
具体的には、北海道電力は当初の31.4%から20.1%に、東北電力は32%から21.9%、東京電力は29.2%から15.3%、北陸電力は43.4%から39.7%、中国電力は29.5%から26.1%、四国電力は26.8%から23%、沖縄電力は41.7%から36.6%に、それぞれ圧縮されるということです。
東京電力エナジーパートナーの長崎社長は、16日午後、オンライン形式で記者会見を行いました。
このなかで長崎社長は、経済産業省による認可が5月19日までに行われた場合、6月1日の使用分から電気料金の値上げを実施することや、家庭向けで「自由料金」と呼ばれる料金体系についても、規制料金の水準にあわせる形で7月1日から値上げすることを明らかにしました。
自由料金の値上げ幅はプランによって異なりますが、利用者が多い代表的なもので1.4%値上げするとしています。
6月の利用分から電気料金の値上げが行われた場合について、経済産業省では、1か月あたり400キロワットアワー利用する家庭を標準的な家庭として、値上げを申請する前の2022年11月分と比べた試算をまとめています。
このうち、東京電力は1万4444円から14%値上がりして1万6522円に値上がりするということです。
これについて経済産業省は、再生可能エネルギーの普及のために電気料金に上乗せされている「再エネ賦課金」が2023年4月の使用分から平均的な家庭で月820円引き下げられたほか、政府の負担軽減策によって家庭向けで1キロワットアワーあたり7円が補助されていることから、7社のうち北陸電力と沖縄電力を除く5社では、2022年11月分と比べて実際の負担は軽くなるとしています。
ただ、この負担軽減策は2023年9月の使用分までとなっていて、軽減策が終われば、標準的な家庭では月2800円負担が増えることから、今後、燃料価格の動向なども相まって、家計の負担がさらに増すことも予想されます。