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“毒クラゲ” カツオノエボシやカツオノカンムリに注意 漂着相次ぐ

  • 2023年5月17日

本格的な海水浴シーズンを前に、少し気になる情報があります。
それは「カツオノエボシ」や「カツオノカンムリ」と呼ばれる毒クラゲの一種が神奈川県内の海岸に漂着しているというものです。
青く透き通ったインスタ映えしそうな見た目の毒クラゲ。
その危険性や刺された際の対処法について取材しました。

カツオノエボシ 例年よりも早い漂着か

4月中旬から神奈川県茅ヶ崎市の海岸に漂着しているのは毒クラゲの一種「カツオノエボシ」です。クラゲを確認したのは、海岸清掃などに取り組む「かながわ海岸美化財団」です。

財団によりますと、「カツオノエボシ」は、例年5月の大型連休明けから7月にかけて海岸に打ち上げられているケースが多いということで、ことしは例年に比べて早いといいます。

かながわ海岸美化財団 広報担当 柱本健司さん
「ことしは4月中旬から『カツオノエボシ』がポツポツと確認されています。去年は『カツオノエボシ』に刺されて、救急車で搬送されたという事例も多かったので、見かけても決して触れないでください」

毒クラゲの漂着確認 相次ぐ

毒クラゲの漂着は、茅ヶ崎市の海岸だけではありませんでした。

神奈川県によりますと、5月に入ってから横浜市や鎌倉市、それに逗子市、葉山町の海岸で「カツオノエボシ」や同じ毒クラゲの一種「カツオノカンムリ」が打ち上げられているという通報があわせて4件、寄せられているということです。

このうち、横浜市の海浜公園では、5月はじめに「カツオノカンムリ」が200匹ほど打ち上げられたほか、沖合に漂っているのが確認されたということです。

公園を管理する事務所によりますと、毒クラゲは5月1日に見つかってから、その後は(5月16日時点)確認されておらず、クラゲに刺された人はいないということです。

ただ、風向きなどで浅瀬に押し寄せたり、海岸に打ち上げられたりするおそれがあるとして監視体制を強化しているほか、近くの海岸に漂着していないか、関係機関と連携して情報収集をしているということです。

「カツオノエボシ」「カツオノカンムリ」とは??

そもそも「カツオノエボシ」や「カツオノカンムリ」とは、どういったクラゲなのか。

神奈川県藤沢市にある「新江ノ島水族館」の展示飼育部でクラゲ担当の櫻井徹学芸員に聞きました。

「カツオノエボシ」は、青く透き通り、見た目はきれいだということです。
袋状の部分が大きいもので15センチほど、毒針がある触手は長いもので10メートルに達します。
人によっては刺されると激しい痛みを感じ、アナフィラキシーショックを引き起こして死亡する場合もあるということです。
外洋に生息していて、風向きなどで海岸近くを漂ったり、海岸に漂着したりするということです。

「カツオノカンムリ」もふだんは外洋に漂っているクラゲです。
こちらも青い色で5センチから10センチほどのだ円形をしています。
触手は「カツオノエボシ」よりも短いということです。
こちらも毒をもっていて刺されるとチクッとした痛みが走るということです。

どちらも死んでいても触手の部分を触ると毒針が出てくるため、海岸に漂着したクラゲは絶対に触れてはいけないといいます。

クラゲ対策は?刺された際は?

では、刺されないためにどうすべきなのか?

櫻井学芸員は、海に入る際は肌の露出を極力減らすことが大切でラッシュガードなどを着用するほか、波打ち際を歩く際は素足では絶対に歩かないことが大切だと言います。

また、刺された場合は、どうしたらいいのか?
櫻井学芸員は、まず、刺されても慌てないことが大切だといいます。
刺されてパニックになって溺れるおそれがあるからです。

そのうえで、絶対にしてはいけないことが、刺されたところをこすることや真水で流すことです。
なぜなら、刺されたところに毒針がある触手が付いているおそれがあり、こすったり、真水で流したりすることで、刺されたところに付いている触手から新たな毒針が出て、さらに刺されるおそれがあるからです。

このため、「カツオノエボシ」や「カツオノカンムリ」に刺された場合は、海水で触手を洗い流すようにしてほしいといいます。
そして、めまいや頭痛、気分が悪いなど、少しでも体調に異変を感じたら速やかに医療機関を受診するよう呼びかけています。

新江ノ島水族館展示飼育部 クラゲ担当 櫻井徹 学芸員
「『カツオノエボシ』や『カツオノカンムリ』は外洋を漂っていて風向きなどの条件が整うと東京や千葉などの海岸にも流れ着く可能性が高いです。このため、波打ち際に打ち寄せられていても絶対に素手で触らないで下さい。特に子どもは、見た目がきれいだから触るおそれがあるので保護者は注意して下さい」

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