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コロナ5月8日以降5類に 東京都が相談窓口 感染時はどうする?

  • 2023年5月8日

新型コロナの感染症法上の位置づけが、8日季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。東京都は症状の重い人を対象に病床を確保しつつも、段階的に数を減らし、一般の医療機関での受け入れを促すことにしています。
また、自宅療養時の不安などを解消しようと、東京都は専用の電話相談窓口を開設しました。

東京都の医療提供体制は

新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行し、国は医療提供体制について、幅広い医療機関で受け入れる体制に移行する方針です。

こうしたなか、都は、ことし9月末までは、重症化リスクの高い人への支援に重点を置くとして、高齢者などを対象にした臨時の医療施設8か所の開設を延長します。

都が確保していた病床については、症状の重い人を対象に、全体の数は段階的に減らす計画で、これまで確保していたおよそ4100の病床は、8日からおよそ3100とし、感染状況を見ながら9月末までにおよそ2000に減らします。
一方、軽症者の入院は一般の医療機関での受け入れを促します。

また、外来は、都内およそ5000の医療機関が受け付けていて、都はホームページで一覧を公表しています。

東京都が専用の相談窓口

新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行したあとも、自宅療養時の不安などを解消しようと、東京都は専用の電話相談窓口を開設しました。

都が、8日から開設したのは「新型コロナ相談センター」です。
都はこれまで症状があってかかりつけ医のいない人を対象にした「発熱相談センター」と、自宅療養の人を対象にした「うちさぽ東京」、「フォローアップセンター」を相談窓口として設けていました。

今回、新型コロナが5類に移行したあとも、新型コロナに関する不安や疑問を解消しようと、電話での相談窓口を一本化して対応を続けることにしました。

センターでは、体調が急変した時の健康相談に応じたり、発熱した際には医療機関を案内したりするほか、マスクの着用やワクチン接種に関する質問にも応じたりするということです。

電話番号は、0120-670-440で24時間受け付けていて、日本語のほかにも英語や中国語など12の言語に対応しています。

東京都福祉保健局保健所連携支援担当課 柳沼恵美課長
「5類に移行して、患者の数が増えても対応できる体制をとっているので、不安があれば気軽に相談してほしい」

東京都 小池知事
「ただ元に戻すのではなく、ウイルスとの生活をどう考えていくのかも含めて、皆さんとともに進んでいきたい。また、問い合わせ先の窓口を1つのコールセンターにまとめたほか、リスクの高い人たちに対してはこれまでと同様に対応していくので、安心してほしい」

今後の感染者数の発表は?

厚生労働省による毎日の感染者数の発表は8日で最後となります。

これまでは医療機関や自治体から報告されたすべての感染者数を毎日公表する「全数把握」でしたが、これからは「定点把握」となります。

東京都も都内419の医療機関から報告された1週間分の感染者数を翌週にまとめ、集計したデータをもとに、1医療機関あたりの平均や年代別の割合、保健所別の患者数などを公表することにしています。

現在の感染状況は?

新型コロナウイルス対策にあたる政府分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について次のように述べました。

◯今後の感染状況
「感染者の増え方は横ばいになっているが、大型連休の影響で検査を受ける人が少なくなっているとみられ、水面下では感染が着々と広がっている可能性がある。

行動制限や水際対策が大幅に緩和された中での連休となり、感染拡大の傾向は今後も続くと考えられる。連休明けの今週から来週にかけて爆発的な感染拡大が起きないか、注意して見る必要があるが、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行するのにともない、感染者数の報告は週に1回の『定点把握』によるものとなるため、今までより正確な感染者数の把握が難しくなる。

入院患者の数や重症患者の数など、医療現場のひっ迫の度合いも把握しながら、これまでのデータと継続性を持たせて、感染状況を評価することが重要だ」

5類 5月8以降のコロナ対策は?

◯「5類」となったことについて
「WHO=世界保健機関も新型コロナの感染拡大を受けて出していた『国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態』の宣言を終了したと発表し、世界的に見てもコロナ対策は大きな節目を迎えていると言える。

しかし、ウイルスはまだ世界中に潜んでいて、日本でも1日に1万人以上が感染し、少なくなったとは言え死亡者も毎日報告されている。

5類になったからといって感染を防ぐためのガードを全て下げると、感染者数は一気に増加し、高齢者や基礎疾患がある人たちに広がり、重症患者の増加につながるリスクが生まれる。

また、治療薬は非常に高価な上、どの医師でも処方できるようにはなっておらず、季節性インフルエンザと同じような病気になったとは言えない。

若い元気な人たちはコロナ前の日常を取り戻すような行動に切り換えつつ、できる範囲の感染対策は維持して欲しい。また、高齢者や基礎疾患がある人たちに接するような場面では、マスクを積極的に着けるなどして、こうした人たちを感染から守る対策を続けていくことが大事だ。

また、5類移行によって検査や外来診療の費用などが自己負担に見直されるが、高齢者施設などでは今までと同じように検査を速やかに受けられ、陽性者が見つかった場合は治療薬の投与を早く行える体制を維持することで、受診控えによるクラスターを起こさないようにすることが大事だ」

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