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小笠原海溝 水深8336mの魚とは ギネス世界記録 “最も深い”【動画】

  • 2023年4月5日

伊豆・小笠原海溝の水深8336メートルの深海で、泳ぐ魚の姿の撮影に成功しました。東京海洋大学や西オーストラリア大学などの国際研究グループが、2022年に撮影したもので「最も深い場所で確認された魚」としてギネス世界記録に認定されました。どんな魚なのか、まとめました。

「最も深い場所で確認された魚」認定証

撮影に成功したのは西オーストラリア大学のアラン・ジェイミソン教授や東京海洋大学などのグループです。撮影した魚は「最も深い場所で確認された魚」として、ギネス世界記録に認定され、4月4日、認定証が贈られました。

体長30cm「スネイルフィッシュ」か

撮影された映像から、この魚は全身が乳白色で体長はおよそ30センチ、「スネイルフィッシュ」と呼ばれる深海魚の仲間とみられるということです。ヒレは半透明で体は柔らかいゼラチン質で覆われているとみられます。

水深8336m 伊豆・小笠原海溝の海底付近で

2022年8月15日、カメラなどを搭載した観測装置を使って伊豆・小笠原海溝の海底付近、水深8336メートルで撮影を行ったところ、魚が泳いでいる姿を撮影することに成功したということです。

魚類が生存可能な水深の限界

グループによりますと、これまで生きた魚が確認された最も深い水深はマリアナ海溝の水深8178メートルでしたが、今回はそれよりも158メートル深いということです。

脊椎動物である魚類は、水圧の影響のため8200メートルから8400メートル程度より水深が深くなると生存が難しくなると考えられています。

東京海洋大学 北里洋博士
「水深8000メートルを超える超深海で世界最深の魚が発見されたのはすごいことだ。極限の環境下でどういう生理現象で生きていけるのかを考える材料を手にすることができた。今、知られている体の仕組みからすると魚がすむ限界に近い場所だと考えられる」

発見の意義 国際研究グループは

ギネス世界記録の認定証を受け取った北里博士は「非常に深い場所で撮影に成功したのは有意義なことで、今後、さらに深い場所で魚が現れることにも期待したい」と話していました。また、国際研究グループのリーダーを務めた西オーストラリア大学のアラン・ジェイミソン教授もコメントを寄せました。

西オーストラリア大学 アラン・ジェイミソン教授
「大変光栄に思います。今回の発見は、未だに知られていないことがどれだけあるかを浮き彫りにしました。協力して調査することでさらに多くの発見が可能になると思います」

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