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マスク着用 3月13日以降 いつどんな時?効果的な場面やポイント

  • 2023年3月14日

新型コロナ対策としてのマスクの着用が個人の判断に委ねられました。一方で、厚生労働省は、マスク着用が効果的な場面として、医療機関や高齢者施設などへ行く時や、通勤ラッシュ時などをあげています。首都圏の交通機関や医療機関、高齢者施設の対応のほか、各業界のガイドラインの状況などをまとめました。

個人の判断に 空港の変化は

航空会社の業界団体は政府の方針にもとづいて新型コロナ対策のガイドラインを改定し、乗客や従業員のマスクの着用を「個人の判断に委ねることを基本とする」よう見直しました。
これをうけ成田空港では、航空会社がチェックインカウンター付近などに掲示してきたマスクの着用を呼びかけるポスターがなくなりました。

マスクをつけた方がよいとされている場面とは

マスクの着用が効果的な場面について厚生労働省は、医療機関を受診する時や、重症化リスクの高い人が多い医療機関や高齢者施設などを訪問する時、人が密集している通勤ラッシュ時など混雑した電車やバスに乗車する時の3つの場面だとして、リーフレットなどで国民に対して周知しています。

〇着用呼びかける3つの場面
(1)医療機関を受診する時
(2)医療機関や高齢者施設などを訪問する時
(3) 混雑した電車やバスに乗車する時

このほか高齢者やがんなどの基礎疾患、そして妊娠している女性など重症化リスクの高い人が流行期に混雑した場所に行く時にもマスクの着用は効果的だとしています。

一方、症状がある人や感染者本人、同居する家族に感染者がいる人は周囲に感染を広げないため外出を控え、通院などでやむをえず外出する場合は人混みを避けマスクを着用するよう求めています。

そして、重症化リスクの高い人が多くいる医療機関や高齢者施設などの職員については勤務中のマスクの着用を推奨するとしています。

鉄道業界 対応は事業者に任される

鉄道業界では、マスクの着用などの対応は各事業者に任される形となりました。このうち京王電鉄では13日からマスクの着用や、会話を控えめにするよう呼びかける対応を行わないことにしています。一方、時差通勤の呼びかけなどの感染対策は続けることにしています。

京王線の府中駅では、13日の午前9時前の比較的混み合う通勤時間帯の上りの列車では多くの利用客がマスクを着用していました。

日本バス協会 “着用呼びかけない” 都営バスでは

これまで都営バスでは、利用者にマスクを着用して会話を控えめにすることを求めていましたが、日本バス協会が着用などを呼びかけない方針を決めたことを受け、13日の始発までにすべての車内に掲示していた呼びかけのポスターを撤去しました。

13日からは、利用者のマスクの着用は個人の判断に委ねることにしていますが、乗務員はマスクの着用を続けることにしています。また、感染対策としては、引き続き車内の一部の窓を5センチ程度開け、運転席付近のアクリル板や飛まつ防止のシートの設置を続けることにしています。

着用推奨の高齢者が入所する施設

重症化リスクの高い高齢者が入所する施設などではマスクの着用が推奨されています。

東京・多摩市にある特別養護老人ホームでも、職員がマスクを着用して感染対策に気を配りながら介護業務を行っていました。
この施設では入所者とその家族との対面での短時間の面会を再開していますが、今も面会で訪れる人にマスクの着用を呼びかけています。

特別養護老人ホーム「白楽荘」 鶴岡哲也施設長
「職員は自分が感染して施設の入所者にうつしてはいけないという危機感を持ち続けています。一方で社会全体の新型コロナに対する危機感が薄れていかないか心配していて社会の一人ひとりに重症化リスクの高い人を感染させないための行動を考えてほしいと思います」

受診の際は着用推奨の医療機関

厚生労働省は重症化するリスクが高い人への感染を防ぐため、医療機関を受診する際はマスクの着用を推奨しています。

千葉県成田市にある国際医療福祉大学成田病院では、感染防止のため、引き続き医療スタッフはマスクを着用するとともに、病院を訪れる人にも着用を呼びかけています。
13日の朝は、ほとんどの外来患者などがマスクをして訪れましたが、付け忘れていた人には、ロビーにいるスタッフがその場で着用を促していました。

国際医療福祉大学成田病院 前田修運営部長
「世の中的には緩和の方向で進んでいるので、感染リスクが高まることを危惧しています。状況を注視しながら、できるだけ皆さんに納得してもらえるような体制で臨んでいけるように今後も努力していきたい」

業界ガイドラインの見直し カラオケは

国はマスクの着用が個人の判断に委ねられる3月13日を前に、各業界団体に対して195ある業種別ガイドラインを見直し、現場や利用者へ周知するよう呼びかけています。

全国のカラオケ店などが加盟する業界団体の「日本カラオケボックス協会連合会」では、このほどマスクの着用については、利用客も従業員も「個人の判断に委ねる」とガイドラインを見直しました。

ただ、歌う時には利用客に1メートル以上離れてもらうことや、座席の間隔も人と人とが触れ合わない距離をとること、室内清掃の際の換気や消毒も引き続き実施を推奨するなどの対策もあわせて示しています。

最多の対応 “業界団体として事業者の判断に委ねる”

内閣府によりますと、3月10日の時点では、195ある業種別ガイドラインのうち187で見直しが完了したということで、このうち「業界団体として事業者の判断に委ねる」とした対応が最も多く、ホテルやプロ野球、遊園地など153のガイドラインとなっています。

一方、業界として事業者に一律の取り扱いを定めているものもあり、▽「従業員のマスク着用を求める」が郵便やエステなど18となっています。

また「従業員と利用者のマスク着用を求める」がプロゴルフやプロバスケットボールなど16のガイドラインとなっています。

このほか、8つのガイドラインが「業界内で取り扱いを検討中」などとなっています。

内閣府はマスクの着用について必要に応じて事業者のホームページを確認したり、イベントの主催者に問い合わせたりしてほしいとしています。

“臨機応変に着用するかしないか判断を”

感染症に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は、新型コロナウイルス対策としてのマスクの着用が個人の判断に委ねられたことについて理解を示す一方で、感染を防ぐ効果を認識した上で、自分自身や周りの状況に応じて着用するかどうか判断することが重要だと話しています。

〇個人判断になったことについて
日本ではマスクを着用する人が多かったこともあり、海外に比べて感染者数が低く抑えられてきた。一方で我慢をしてきた人も多くいてコロナ禍の生活が3年になり、社会的にもコロナ禍前に戻っていく、その転換の象徴がマスクを外すことなのだと思う。

〇着用についての考え方
マスクは感染予防の観点から見て有効な手段であることは間違いないので、全員がマスクを外すということになれば今後、感染が拡大する懸念がある。自分は重症化リスクがあるのか、周りの環境が感染リスクがある状況かなど、総合的に考えて臨機応変に判断することが大切だ。

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