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花粉症の症状で仕事の効率低下?花粉症手当出す企業も 過去10年で最多

  • 2023年2月28日

スギ花粉が飛散するシーズンとなりました。環境省が全国34の都府県で行っているスギの調査では、東京や神奈川など12の都府県で、花粉を飛散させる雄花の芽の数が過去10年間で最も多く、非常に多い量の花粉が飛散すると予想されています。
こうした中、花粉症で仕事の効率が下がるのを防ごうと社員が医療機関を受診した際の費用などを手当として支給する会社も出ています。

東京や神奈川 過去10年で最多

スギ花粉の飛散量は雄花の芽の数に比例しますが、環境省の調査では雄花の芽の数は今シーズン、全国34の都府県のうち東北南部から九州にかけての23の都府県で過去10年間の平均を上回っています。

特に福島、東京、神奈川、新潟、富山、石川、京都、兵庫、岡山、鳥取、広島、福岡の12の都府県では過去10年間で最も多く、花粉の飛散量が非常に多くなると予想されます。

平均と比べて、東京は150%、神奈川は194%、新潟は184%などとなっています。

理由や対策は

環境省によりますと平均を上回っている地域では、去年の夏に日照時間が長く気温が高い日が多かったことが影響しているということです。

有効な対策として、マスクの内側にガーゼを入れると効果が高くなるとされるほか、洗濯物の室内干しやぬれた雑巾やモップでこまめに拭き掃除をすることを呼びかけています。

花粉症手当出す企業も

花粉症で仕事の効率が下がるのを防ごうと、社員が医療機関を受診した際の費用などを手当として支給する会社も出ています。

健康管理システムを開発する都内の会社では、「花粉症手当」を設け、社員が花粉症で医療機関を受診したり薬を受け取ったりした際の費用の全額を補助しています。

仕事の効率が下がるのを防ごうと5年前に導入したということで、1回の支給額は5000円ほどだということです。
また、マスクやティッシュなども配布しています。

およそ80人の社員のうち半数ほどが手当を受けていて、年間およそ25万円を会社が負担しているということです。

50代女性
「すごく助かっています。処方された薬のおかげで花粉症の症状に悩まされながら仕事をすることはなくなりました」

大澤直人広報部長
「医療機関で診察してもらい、薬をもらうことで、生産性の低下を防ぐことができモチベーションを高く維持して仕事ができていると思います」

仕事の効率低下 専門家は

花粉症などアレルギー性鼻炎の治療に詳しい専門家は次のように話しています。

千葉労災病院 岡本美孝院長
「去年とおととしは花粉の飛散は比較的少なかったが、ことしの花粉はかなり多いと考えられている。一般的に花粉の飛散が多いと症状が強くなり、これまで症状がなかった人も初めて発症する場合もある。
花粉症の症状である鼻づまりやくしゃみなどが仕事の能率に大きく影響を与えるだろうということは従来から言われている。
さらに花粉症患者の多くは睡眠障害も訴えていて、日中の仕事での集中力に影響が出るとか昼間に眠気が来るとかそういったことも引き起こされてしまうおそれがある」

花粉症対策は

岡本院長によりますと、花粉症対策の基本は、「花粉との接触を避けること」で、マスクやメガネを着用することや、花粉が付着しやすいウール製の衣類を避けてつばの広い帽子をかぶることなどが効果的だということです。

また、症状が出始めた際にはドラッグストアなどにある市販薬を利用するのも1つの手段だということです。

千葉労災病院 岡本美孝院長
「症状が強い方は専門の医療機関などで治療を受けることが必要になるので早めの受診をおすすめします」

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