1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. WBCユニフォーム売り切れ問題 専門家 “転売目的と推測” どう防ぐ

WBCユニフォーム売り切れ問題 専門家 “転売目的と推測” どう防ぐ

  • 2023年2月20日

WBC関連グッズのユニフォームはオンライン上の予約販売開始からまもなく売り切れが続出しました。販売したミズノは「機械的な大量購入があり売り切れが続出した」としています。
一方、早くアクセスできるプログラムを作って自動的に予約する方法が世界で問題になっていて、診療予約まで売買の対象になっているということです。対応策などについて専門家に聞きました。

WBC 関連グッズへの関心も高まる

WBC=ワールド・ベースボール・クラシックの日本代表の合宿が2月17日に始まり、開幕前から関連グッズへの関心も高まっています。
このうち都内のスポーツ用品の販売店「スーパースポーツゼビオ東京御茶ノ水本店」ではWBCのグッズの販売開始日をたずねる電話の問い合わせが相次いでいるということです。

売り切れ続出 大量の商品の送り先が同じ

WBC関連グッズのユニフォームをめぐって騒動が起きました。スポーツ用品メーカー「ミズノ」は、WBCの関連グッズとして2月10日にオンライン上で選手の名前入りユニフォームの予約販売を始めました。

しかし、販売開始からまもなく、売り切れが続出し、インターネット上にはさまざまな声が投稿されました。

ユニフォーム買えなかった。

争奪戦に敗北。

サイトにつながらずやっとつながったら売り切れ。

ミズノは数量に関しても十分に準備し、多くのファンが購入できるよう数に制限も設けていたといいます。その後、ミズノが注文の一部を調べたところ、大量の商品の送り先が同じであることがわかったということです。
特定の人物が機械的に多数のアカウントを作って商品を注文したとみられます。

“転売目的と推測” 自動化プログラム使う場合も

今回のWBC関連グッズの大量購入予約について慶應義塾大学経済学部の栗野盛光教授は今「転売目的の購入者だと推測できる」と指摘したうえで、次のように述べました。

慶應義塾大学経済学部 栗野盛光教授
「転売目的の人はボットという自動化できるプログラムを使って予約を行うことがある。コンピューターが一瞬にして予約してしまうのでスピード競争に勝って買い占めてしまう。一般の人がキーボードで入力している間に売り切れたのではないか」

診療予約まで売買対象に 必要な対応は

慶應義塾大学経済学部 栗野盛光教授
「人気商品をネット上で、先着順で販売する際には、技術的な優位性を持つ人が購入しやすい。早くアクセスできるプログラムを作って自動的に予約するという方法は世界で問題になっていて、病院の診療予約や免許更新の予約までもが売買されているケースもある。こうした人たちが商品を大量に購入し転売することでもうけるという不公平な仕組みになってしまう」

その上で、栗野教授は「企業側はネット社会において本当に欲しい人に商品が行き渡るようなシステムを考える必要があると思う。販売方法を工夫したり予約システムをデザインしたりすることは企業にとってもはや社会的な責任にもなっている」と指摘しています。

ユニフォームは抽選販売に

ミズノは今週14日、「明らかに個人使用の枠を超える機械的な大量購入があり売り切れが続出した」として謝罪するコメントを公式ホームページに掲載しました。

その上で、一部の商品については大量の予約をした人に連絡して予約を取り消し、今後、改めて「抽選販売」を行うことにしました。ミズノは「より多くの人がユニフォームを着てWBCを楽しんでいただけるよう誠心誠意努力したい」としています。

ページトップに戻る