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トルコ・シリア大地震 クルド音楽の演奏家がチャリティーライブへ

  • 2023年2月17日

トルコ南部で起きた大地震。現地で求められているのが長引く避難生活を余儀なくされている被災者への支援です。
東京都内では、現地に多くの友人がいる飲食店経営者が、クルド音楽を演奏するチャリティーライブの開催に向けて準備を進めています。

クルドに魅了 音楽の演奏家に

東京・浅草でバーを経営している上田惠利加さん。
5年前にトルコのイスタンブールを旅行で訪れ、クルド人の家庭でホームステイをしたことをきっかけに、その言語や文化に魅了されたといいます。

その後もトルコを旅行で訪れるたび、現地のクルド人たちと交流を深めてきたほか、都内の大学のクルド語教室に通うなどして言語や文化を学んできました。

さらに、上田さんは日本で暮らすクルド人から伝統楽器の「サズ」を譲り受けたのをきっかけにクルド音楽の演奏家としても活動しています。

大地震 友人の安否など確認

今回の地震が発生したあと、上田さんはSNSなどで現地の友人たちに連絡を取って、安否や必要な支援について聞き取ってきました。

友人たちは震源から遠い都市で暮らしていることもあり、けがはありませんでしたが、住宅が被害を受けたり生活物資が不足したりしているため、厳しい冬の寒さの中、暖を取るのも難しい状況が続いているということです。

15日は、地震の発生後、連絡が取れないままだった友人と通話アプリで会話することができ、無事を確認したり現在の生活について尋ねたりしていました。

被災者支援へ チャリティーライブ

こうした中、被災した人たちのために何かできることはないかと企画したのが自分の店でクルド音楽を演奏するチャリティーライブを開くことです。
15日は、18日の開催に向けて楽器の調整や演奏の練習などを行っていました。

ライブでは会場に募金箱を設置するほか、演奏の様子を有料でオンライン配信することにしていて、集まった募金や収益は全額、支援団体に寄付することにしています。

上田惠利加さん
「現地からは冬の寒さがいちばんつらいと聞きます。日本で暮らす私たちも厳しい寒さの中で東日本大震災を経験したのでそのつらさを想像することができると思います。日本からの支援を届けるきっかけとして自分の演奏が役立てばいいと思います」

日本で暮らすクルド人 相談・支援は

トルコやシリアで大きな被害が出た大地震。
日本で暮らすクルド人の団体は、日本にいる被災者の家族の相談に応じるなど、支援を進めています。

埼玉県川口市にある「日本クルド文化協会」は、地震の翌日からメンバーが事務所に常駐して相談を受け付けています。

16日は、トルコ南部出身の26歳の女性が2人の娘を連れて訪れ、姉など親族を亡くし父親ががれきの下敷きになって大けがをしたので、できるだけ早く帰国したいと相談していました。

日本で暮らすクルド人のなかには経済的な理由で航空券を買えない人もいて、協会では、募金活動で集めたお金を被災地に送るとともに、被災者の家族の帰国も支援しています。

この女性は協会が手配した航空券で来週にも帰国することになりました。

女性
「不安ですが、まずは帰って父親の面倒をみたい」

日本クルド文化協会事務局長 ワッカス・チョーラクさん
「時間がかかると思うが、被災者が安全な場所で普通の生活を送れるようにする支援が必要だ。民族や宗教に関係なく、被災者やその家族を支援したい」

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