インフルエンザの流行状況について、1月29日までの1週間に報告された1医療機関あたりの患者数が全国で10.36人となり、大きな流行が起きる可能性がある「注意報レベル」の10人を超えました。
一方、東京都内でもインフルエンザの患者が増え、流行が広がっているとして、都は2月2日、2019年以来となるインフルエンザの「流行注意報」を出しました。
専門家は今後、数週間のうちに感染のピークを迎える可能性があるとして、感染対策の徹底を呼びかけています。
国立感染症研究所などによりますと、1月29日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、前の週の1.08倍の5万1219人でした。
1医療機関あたりの1週間の患者数は10.36人で、今後、4週間以内に大きな流行が起きる可能性があるとされる「注意報レベル」の10人を超えました。
また、ここから推計される全国の患者数はおよそ30万1000人となっています。
このうち沖縄県では、41.23人と大きな流行が起きているとされる「警報レベル」の水準の30人を3週連続で超えています。
このほか16の府県で「注意報レベル」の10人を超えていて、福井県が25.38人、大阪府が24.34人、福岡県が21.70人、京都府が20.24人などと九州や関西を中心に増えています。
一方、東京都内でもインフルエンザの患者が増え、流行が広がっているとして、都は2月2日、2019年以来となるインフルエンザの「流行注意報」を出しました。
都によりますと、1月29日までの1週間に、都内の419の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、3788人にのぼりました。
一定数の患者が出た保健所管内の人口の合計が都全体の30%を超えると、都は、インフルエンザの「流行注意報」を出すことにしていて、今回、34.86%にのぼったことから、2月2日、注意報を出しました。
都がインフルエンザの「流行注意報」を出すのは、3シーズン前の2019年12月以来となります。
都内では、学校や社会福祉施設などでインフルエンザの集団感染が相次いでいて、昨シーズンは1月下旬まで2件だったのに対し、今シーズンは394件確認されているということです。
今後、4週間以内に大きな流行が起きる可能性があるとされる「注意報レベル」の10人を超えている保健所は31か所中9か所となっています。
具体的に報告数が高い順に、八王子市が22.83人、荒川区が20.57人、町田市が19.54人、江戸川が15.89人、多摩小平が13.23人、足立が12.42人、多摩府中が11.29人、中央区が10.60人、目黒区が10.25人となっています。
都は、ワクチンの接種やこまめな手洗い、それに、乾燥を防ぐための室内の適度な湿度の確保など感染対策を徹底してほしいとしています。
また、発熱した場合は、新型コロナウイルスの感染の疑いもあるため、発熱外来の受診や発熱相談センターの利用などを呼びかけています。
感染症に詳しい 東邦大学 舘田一博教授
「感染拡大のペースはやや緩やかになっているが、インフルエンザは例年、2月にかけピークとなるので、これから数週間は特に注意が必要だ。メリハリのあるマスクの着用など感染対策を心がけてほしい」