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リスキリング 導入事例は? スキルの再習得 支援や機会確保どうする

  • 2023年1月30日

リスキリングは、スキルを再び習得という意味です。スキルアップをはかるこれまでの研修とは異なり、新たな仕事をするためにスキルを身につけます。NHKが主な企業100社にアンケートを行ったところ、「導入した」または「導入する予定」の企業が8割を超え、働く人の学び直しの取り組みが広がっていることがわかりました。アンケートの結果や主な取り組みをまとめました。

リスキリング 社内研修との違いは

リスキリングは、いまの業務を続ける上での技術や能力を高める社内研修などとは異なり、新たな会社や社内の別の部署に移ることを前提に、デジタル技術など新たな価値を生み出すスキルを習得することです。

政府が決定した令和5年度予算案では、新たな価値を生み出すスキルを身につける「リスキリング」の強化に向けた費用として厚生労働省は1138億円を盛り込み、従業員のデジタル技術などの習得に取り組む企業に年間最大1億円を助成するほか、学び直しやキャリア形成を後押しする支援センターを設置することにしています。

リスキリング 導入・導入予定が8割超

NHKは12月23日から1月13日にかけて、国内の主な企業100社を対象にアンケートを行い、すべての企業から回答を得ました。

このなかで働く人の学び直し、リスキリングについて、「導入した」と答えた企業が72社、「導入する予定」が9社となり、あわせて全体の8割を超えました。また、「検討中」が16社あり、取り組みが広がっています。

具体的内容は

そのうえで、具体的な内容を複数回答で聞いたところ、「オンライン学習の実施」が70社、「研修やワークショップの開催」が64社、「社員の資格取得などを支援」が48社などとなっています。

導入の狙いは

さらに導入の狙いや目的について複数回答で聞いたところ、「業務の生産性向上」が67社、「専門人材の育成」が61社、「社員のモチベーション向上」が58社、などとなりました。

各社の取り組みは

〇サントリーホールディングス
サントリーホールディングスは社員や外部の講師による勉強会の取り組みを導入し、ビジネススキルだけでなく、教養や趣味に関するものまで幅広いテーマで開催しているのが特徴です。

〇「伊藤忠商事」
「伊藤忠商事」は、100以上の研修プログラムを用意し、今後のキャリアに必要なスキルについて上司と面談したうえで、社員が希望するものを受講できる制度となっています。

〇「日本製鉄」
「日本製鉄」はリスキリングをしようとする社員に対して、最長3年間の休職を認める制度を導入しています。

〇「メルカリ」
「メルカリ」は博士号を取得するために国内の大学院に進学する社員に対して、学費を全額支給するほか、研究と両立できるよう勤務時間を調整する制度を導入しています。

リスキリングの課題 意識改革と職場整備

一方で、アンケートでは企業側の“本音”や試行錯誤の現状も見えてきました。

ベテラン従業員の知識吸収能力の低下。
自発的な参加は限定的。
学んだことを生かす場の提供が必要だが、会社の対応には限界がある。
業務との連動をどうするか。

 

社員の間で自主的な動きにはなっていないと回答する企業も目立ち、意識の改革とともに、スキルに応じた職場の整備など課題も残されています。

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