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オミクロン株 XBB.1.5 感染力 重症化 特徴とリスクは? WHO初期調査

  • 2023年1月16日

新型コロナウイルスのオミクロン株の1つ、「XBB.1.5」について、WHO=世界保健機関は専門家による初期調査の結果を公表しました。「XBB.1.5」は日本を含む38か国から報告されているということです。東京都内の検出状況や感染力や免疫を逃れる性質など、初期調査の内容などわかっていることをまとめました。(1月23日更新)

「XBB.1.5」12月1日に都内初確認

オミクロン株の1つ、「XBB.1.5」は、複数のタイプの新型コロナウイルスが組み合わさった変異ウイルスです。2022年春ごろから日本国内でも広がったオミクロン株の「BA.2」の2つのタイプが組み合わさった変異ウイルス「XBB」に、さらに変異が加わっています。

「XBB.1.5」について東京都のモニタリング会議では12日、12月1日に初めて都内で確認されて以降、これまでに15例確認されていると報告されました。
一方、9月には全体の98.4%を占めたオミクロン株の「BA.5」の割合は、12月には60.6%にまで減少したということです。

アメリカで急拡大 日本含む38か国から報告

「XBB.1.5」はアメリカで感染が急激に広がっています。アメリカのCDCは、1月21日までの1週間に国内で新型コロナに新たに感染した人のうち49.1%がオミクロン株の「XBB.1.5」に感染しているとする推計を発表しました。

WHOによりますと、「XBB.1.5」は、2022年10月22日から、2023年1月11日までの間にこれまで日本を含む38か国から報告されていて、その8割以上がアメリカからだということです。

感染力・免疫逃れる性質 初期調査の結果

WHO=世界保健機関は11日、アメリカで急速に感染が広がっている新型コロナウイルスのオミクロン株の1つ、「XBB.1.5」の特徴やリスクについて、専門家による初期調査の結果を公表しました。

それによりますと、アメリカでは比較的、感染力が強い傾向が見られたほか、過去の感染やワクチン接種で得た免疫から逃れる性質もこれまでの変異株の中で、最も強い部類に入るとみられるということです。

一方で、重症化のしやすさや、現在のワクチンによって重症化や死亡率を下げる効果については、現時点では十分なデータはないということです。

“アメリカ1か国のみのデータ 信頼度は低い”

「XBB.1.5」についてWHOは、「世界的な感染者数の拡大につながる可能性があるが、感染力の強さの推定は、アメリカ1か国のみのデータに基づいているため、全体的な信頼度は低い」としていて、今後もデータの収集を続け、評価を行うことにしています。

“流入で第8波が長引くことも懸念される”

厚生労働省の専門家会合は、WHOなどで感染者数の増加につながっている可能性が指摘されているものの、感染性や重症度に関する疫学や臨床の知見はないとしていて、諸外国の状況などを分析するとともに、ゲノム解析による監視を続けることが必要だとしています。

「XBB.1.5」について東京医科大学の濱田篤郎特任教授は、「免疫から逃れる性質だけでなく感染力がさらに強まっている可能性が指摘されている。このウイルスの流入でいまの第8波が長引くことも懸念される」と話しています。

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