警視庁によりますと、過去の受験シーズンには電車で試験会場に向かう受験生を狙った痴漢の被害が確認されているということで、鉄道事業者などと連携して重点的に警戒にあたることにしています。痴漢の被害にあわないためにはどうすればよいのか。電車で試験場に向かう際のポイントを聞きました。
大学入学共通テストを前にした12日、電車で試験会場に向かう受験生を狙った痴漢を防ぐため、神奈川県警とJRや私鉄のあわせて6つの鉄道事業者は、横浜駅で注意を呼びかけました。
電車を利用して試験会場に向かう受験生は、遅刻できないなどの理由で被害を訴えにくく、狙われることが懸念されるということで、警察は試験日にあわせて、駅のホームや電車内での警戒を強化することにしています。
痴漢の被害にあわないためにはどうすればよいのか。大阪の一般社団法人、痴漢抑止活動センターの代表理事松永弥生さんに電車で試験場に向かう際のポイントを聞きました。
まずできる対策として、友だちや親などと一緒に乗る、受験生と気付かれないよう私服で行く、それから「女性専用車両」を選ぶことを心がけてほしいと思います。
女性専用車両は、エリアによっては導入されていなかったり、平日のみの運行のところも多いので、できれば事前に下見をしておくのが良いと思います。
また、犯人が人混みに紛れて逃げやすい改札近くの車両に乗るのは避け、あえて離れた“不便な車両”を選ぶのも有効な手段です。
特に、工夫してほしいのは「電車内の立ち位置」です。死角になりやすく逃げ道のないドア付近や連結部分は避け、人目につきやすい座席エリアの近くを選択したほうがよいと思います。
中には、揺れに合わせて身体を密着させたり手を押しあてたりするような行為も多く、判断がつきづらいかもしれません。ただし、3回手があたったら、“故意”だと思って、早めに対処することが大切です。
おびえて動かなくなると行為がエスカレートするため、声を出したり手で振り払う、難しい場合はかばんで防ぐ、その場でしゃがみ込むなどが対策としては有効です。また、かばんを手から落として大きな音を立てるだけでも行為がやむ可能性があります。
痴漢抑止活動センターでは独自に「痴漢抑止バッジ」を制作して無料で配布しています。インターネット上で申し込むと、2次試験までには手元に届くと思います。これからの受験シーズン、かばんなどにつけてください。
残念ながら絶対に被害にあわない保証はどこにもありません。もし、被害にあった際には、試験の後で時間がたっていても、警察に相談してください。そして周りの大人たちも、試験当日はスマートフォンから顔を上げて監視の目を光らせるとともに受験生のみなさんを温かく見守ってあげてほしいと思います。
警視庁によりますと、過去の受験シーズンには電車で試験会場に向かう受験生を狙った痴漢の被害が確認されているほか、いまもSNS上では受験生への痴漢行為をほのめかしたりあおったりするような書き込みが見つかっているということです。
警視庁や東京都交通局などは、1月11日から痴漢対策の強化期間としていて、鉄道事業者などと連携して、重点的に警戒にあたることにしています。