空気が乾燥して静電気が発生しやすい季節を迎え、都内の雑貨店では静電気対策としてさまざまなグッズが販売されています。でも、なぜ冬になると静電気を感じやすいのか。その理由と対策グッズについてまとめました。
空気が乾燥して感じやすくなる静電気。
街ゆく人たちはどのように感じているのか、聞いてきました。
困りますねー、ドアノブとかパチンときます。
セーターとかだめですね。
ポメラニアン飼っているんですけど、静電気帯びているときに飛びついてくると、ビリッみたいな。あるあるだよね。
人と会話してなんかやり取りして見せながらやって、そうですよね、ビッみたいな感じ。
冬になると静電気を感じやすい理由について、昭和51年に設立された、静電気学会の会長も務めた千葉大学の山野芳昭名誉教授にうかがいました。
千葉大学の山野芳昭名誉教授
「われわれがふつう日常生活を送っていく中で感じる静電気は主に衣服とかそういうこすれ合うものなので異なる2つの物質がこすれあった時に発生する。冬場に起こりやすいのは、水分がない、乾燥していて、発生した静電気が逃げにくい、水分伝わって逃げない。夏だと汗とかそういうもので逃げてしまうけど、冬場ですと乾燥しているので、電気が逃げにくいので人にたまってしまう」
静電気の「ビリッ」を防ぐための商品の販売も本格化しています。
東京・渋谷にある雑貨店「ハンズ渋谷店」では、11月から店内の一角に静電気を除去したり、弱めたりする効果があるとするグッズを集めた「静電気除去コーナー」を設けています。
体内にたまった静電気を放電するとうたったネックレスやブレスレットのほか、毛が乱れないように髪をとかせるというブラシや、静電気を抑えられるとするスプレーなどが取り扱われています。
店舗によりますと、さまざまなデザインがありアクセサリーとしても楽しめるブレスレットの人気が高いということです。
では、静電気が起きやすい人と、起きにくい人に違いはあるんでしょうか。
山野名誉教授に聞いてみました。
千葉大学 山野芳昭名誉教授
「人の動作に関わるものとしては衣服がこすれあわせる癖がある人、ソファに座っていて座面とお尻をこすり合わせる癖があるとか、そういう人は衣服どうしが摩擦しやすい。歩いているときにすり足でカーペットを歩くとか、靴底とカーペットでそれも静電気がたまりやすい」
ふだんの生活の中でできる対策を実演してくれました。
「いきなりドアノブに触れるとぱちっとしてしまうので、手を広げて壁を触ったり。壁が木材であれば一番効果があるんですけど、あとは手が汚れるんですけど、床を触ってあげると大丈夫。手のひら全体で触ってあげることですね。電気というのは、とんがったところから放電しやすいので、握るときも全体で触ると比較的。それから手を広げて壁を触ることで逃げる面積が大きくなるわけですね。指先で壁を触るよりも、手を広げた方が、いっぱい電気がにげる」
また、山野芳昭名誉教授は、ガソリンなどの可燃性の液体に引火するおそれもあることから、場所や状況に応じて十分に注意してほしいと呼びかけています。
その上で特に乾燥肌の人は注意が必要で、保湿クリームを塗って皮膚の乾燥を防ぐことが効果的だということです。静電気自体が人体に大きな影響を及ぼすことはないとしています。
千葉大学 山野芳昭名誉教授
「驚いて高いところから転落したり、可燃性の液体に引火して爆発したりするおそれはある。場所や状況に応じて十分な注意を払ってほしい」