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東京都 コロナBQ1.1に置き換わり拡大か 年末年始の診療検査体制は

  • 2022年12月16日

東京都のモニタリング会議で、専門家は感染拡大が続くと4週間後には1日の新規感染者数が今の倍の3万人近くなるおそれがあるとして、警戒を呼びかけました。

東京都は年末年始に向けて新型コロナの感染が一気に拡大する可能性があるとして、年末年始の診療・検査体制を強化することにしています。

4週間後には2倍の予測

都は15日、都内の感染状況と医療提供体制を専門家が分析・評価するモニタリング会議を開き、いずれも警戒レベルを上から2番目に維持しました。

会議では新規感染者の7日間平均は、14日時点で1万4290人で、前週比でおよそ120%となり、7週連続で100%を上回っていることが報告されました。
また、入院患者数も3764人と前週比で463人増えました。

専門家は、このままのペースで感染が拡大すれば1日の感染者数が、2週間後には今の1.4倍にあたる2万人、4週間後には2倍にあたる2万9000人を上回るとの予測を示しました。

「BQ.1.1」置き換わり進む

また、都が行っている変異ウイルスの検査で、11月下旬にはオミクロン株のうち主流となっている「BA.5」の割合がおよそ7割まで減少し、オミクロン株の一種で、免疫から逃れやすいとされる「BQ.1.1」などの新たな変異ウイルスに置き換わりが進んでいることが報告されました。

国立国際医療研究センター 大曲貴夫・国際感染症センター長
「気候が寒くなり換気がされなくなることや、新しい変異株への置き換わりが進むことで感染者が急激に増えるリスクを想定せざるをえない」

年末年始の診療・検査体制を強化

東京都は年末年始に向けて新型コロナの感染が一気に拡大する可能性があるとして、都立病院で発熱外来のスペースを新たに整備したり、無料検査場を設けたりして、年末年始の診療・検査体制を強化することにしています。

具体的には新型コロナやインフルエンザの発熱外来について、12月29日から1月3日にかけて12の都立病院で診療スペースを整備し、平日と同じ程度の1日で合わせておよそ1000人を診療できる体制にするということです。
診療時間は、午前9時から午後5時までで事前に病院への連絡が必要だということです。

また、帰省や旅行する人向けに12月24日から1月12日にかけて東京駅や品川駅など移動の中心となる8つの駅やバスターミナルで臨時の無料検査場を設けることにしています。

小池知事
「年末に向けて人の動きが活発になるなか医療機関の休診が増えることで不安に感じる都民も多いと思うが、関係者としっかり連携して万全な体制を構築したい」

専門家「大きな波のリスク高まる」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況や医療の現状などについて、次のように指摘しています。

現在の感染状況について
感染者数の増加のスピードは今週に入って全国で再び加速している。
いま主流となっているオミクロン株の『BA.5』から『BQ.1』系統への置き換わりが進み、年末年始にかけて人と人との接触が増えて換気が行いにくい時期でもあり、大きな感染の波を迎えるリスクが高まっている。

医療の現状について
まだ『第8波』の入り口のような状況だが、すでにコロナ病床が満床になったという施設も報告され、救急搬送が困難な事例も全国的に見られている。

1日に報告される死亡者の数は15日の時点で277人と増えてきていて、今後の感染者数の増加を想定すると、1日に最大で347人が亡くなったと報告されたことし夏の第7波のピークを超えてもおかしくない。
高齢者や重症化しやすい人たちを守るための対策を早め早めに取ることが大事になっている。

求められる対策は
この冬は行動制限はないが、いまのコロナの感染状況やインフルエンザとの同時流行のリスクが高まっていること、そして対策を強化しなければ亡くなる人が増えることを改めて認識しなければならない。

基本的な感染対策をしっかり継続することが大事で、ワクチンを打てる人は打っておくこと、また、高齢の親戚が感染して重症化するリスクもあるので帰省前に検査を行うなど、できることをしっかりやって年末年始を楽しむことが重要になる。

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