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オミクロン株BQ.1.1・XBBへの飲み薬の効果は 東大研究グループ発表

  • 2022年12月8日

新型コロナウイルスで、より免疫を逃れやすいとされるオミクロン株の「BQ.1」系統の割合が国内でも増加しつつあります。東京大学の研究グループは「BQ.1.1」などの新たな変異ウイルスに対して、飲み薬の効果が確認できたとする実験結果を発表しました。新たな変異ウイルスの広がりや研究による薬の効果などをまとめました。

BQ.1系統など 新たな変異ウイルスの広がりは

オミクロン株の「BQ.1」系統などの変異ウイルスはアメリカでは「BA.5」に代わって増えてきています。CDC=疾病対策センターによりますと、11月12日までの1週間で検出された変異ウイルスは「BA.5」が29.7%、「BQ.1.1」が24.1%、「BQ.1」が20.1%などとなっています。

日本国内でも、これらの新たな変異ウイルスが確認されています。感染の主流は現在も「BA.5」ですが、「BQ.1.1」が検出される割合は、東京都で11月中旬までの1週間で7%となるなど、新たな変異ウイルスが増えてきています。

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合は7日、今後、全国の感染者数は横ばいから増加傾向となることが見込まれ、より免疫を逃れやすいとされるオミクロン株の「BQ.1」などへの置き換わりの状況や、年末に向けて接触機会の増加などの影響に注意が必要だとしています。

BQ.1.1などへの治療薬の効果は

東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授らのグループは「BQ.1.1」などの新たな変異ウイルスに対して飲み薬の効果についての研究結果を医学雑誌の「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表しました。

研究グループは、患者からとった、免疫からより逃れやすいとされる「BQ.1.1」と別の変異ウイルス「XBB」の増殖を抑えられるかさまざまな治療薬を使って実験しました。

その結果、飲み薬の「ラゲブリオ」と「パキロビッド」、それに点滴で投与する抗ウイルス薬「レムデシビル」では増殖を抑える効果は、当初広がった従来型のウイルスや「BA.5」に対してと同じ程度だったことが分かりました。
一方で、人工的に作った抗体を投与する抗体医薬は、いずれも効果が著しく下がっていたとしています。

河岡特任教授は「抗ウイルス薬が有効であるというのはとてもいいニュースだと思う」と話しています。

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