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海徳海山とは?小笠原の海底火山で変色水「今後噴火の可能性」

  • 2022年12月7日

小笠原諸島の海底火山、「海徳海山」。周辺で海水の色が変わる現象が確認されています。
専門家などでつくる火山噴火予知連絡会は、「火山活動の活発化を示すとみられ、今後、噴火が発生する可能性がある」という見解をまとめました。

海徳海山とは?

「海徳海山」は小笠原諸島の硫黄島の北およそ150キロにある海底火山で、さらに北側には大規模な噴火活動が起きた西之島があります。

西之島

気象庁の記録によりますと、「海徳海山」では38年前の1984年に噴火が発生し、「変色水」のほか、噴煙や軽石などの噴出物が確認されました。

海水の色が変色

海徳海山の付近ではことし8月以降、海水の色が変わる「変色水」が確認されています。

海上保安庁によりますと、11月25日の午後2時前、小笠原諸島の硫黄島の北にある海底火山「海徳海山」付近で海面が直径およそ300メートルにわたって黄みがかった白色に変色しているのが、上空からの観測で確認されました。

さらに、そこから南西に幅1キロ、長さ10キロにわたり変色水が流れているのも確認されました。

航空機に同乗 東京工業大 野上健治教授
「変色水の範囲は8月のあと前回調査の10月12日で広がり今回もっと広がった。8月はうっすらとしていたのが今回は濃度も濃くなった。簡易な計算だが、当初と比較すると面積は100倍近くになり火山活動が加速度的に高まっているといえる。今後、軽石を噴出した1984年のような噴火活動になるおそれもあり、推移に注意が必要だ」

火山噴火予知連「今後噴火の可能性」

火山噴火予知連絡会の定例の会合が6日、気象庁で開かれ、全国の火山活動について検討しました。

変色水は、火山活動の活発化を示すと考えられるとして、「今後、噴火が発生する可能性があるため、火山活動の推移に注意が必要だ」という見解をまとめました。

また、小笠原諸島の「硫黄島」では、7月上旬から8月上旬にかけてと10月上旬に、島の沖合で小規模な噴火が相次ぎました。
これらの噴火でマグマの噴出が初めて観測され、地下からの新しいマグマと推定されるほか地震活動などもやや活発な状態が続いているということです。

このため、「火山活動が高まる可能性もあり、今後の活動の推移に注意が必要だ」という見解をまとめました。

火山噴火予知連絡会 会長 九州大 清水洋名誉教授
「海徳海山でもっと激しい噴火活動となった場合は近くを航行する船に被害が及ぶようなことも起こりうるため注意をしていく必要がある」

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