1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. ドリブルの三笘選手 ワールドカップ活躍の原点は? 筑波大監督に聞く

ドリブルの三笘選手 ワールドカップ活躍の原点は? 筑波大監督に聞く

  • 2022年12月6日

サッカー、ワールドカップカタール大会、持ち味のドリブル突破で再三チャンスを作った三笘薫選手は、学生時代、ドリブルをテーマにした論文に取り組みながら技術を磨いていたということです。1人で局面を打開する力の原点とは?論文の指導もした筑波大学の蹴球部の小井土正亮監督に聞きました。

“三笘選手自体が戦術だ” ドリブル突破で局面打開

サッカー、ワールドカップカタール大会、日本代表の三笘薫選手は、日本の攻撃を引っ張りました。1人で局面を打開できるその実力で、主に途中出場で流れを変える切り札として大きな存在感を発揮してきました。
最大の持ち味は緩急をつけたドリブル突破で、そこからのパスやシュートも高い精度を誇ります。

筑波大学時代 監督が見た三笘選手

三笘選手は学生時代、茨城県つくば市にある筑波大学の蹴球部に在籍しました。ドリブルの技術を磨くため、三笘選手は、在学中、自主的な練習を行いディフェンダーの守りを突破する1対1の練習を毎日、繰り返していたといいます。
筑波大学の蹴球部で監督を務め、サッカーのコーチング論を学生に教えている助教の小井土正亮さんに当時の三笘選手はどう映っていたのでしょうか。

絶対的な選手になるには、何か強い武器を持たなきゃならないという危機感が彼にあったと思いますしその1つとして結実したのがドリブルでの突破ということ。オンリーワンになるんだという気持ちだったと思います。

技術向上へ 卒業論文はドリブルがテーマ

さらに三笘選手は、技術を磨くための研究にも力を入れ、ドリブルをテーマにした卒業論文に取り組みました。
熟練した部員とそうではない部員のグループにわけたうえで、頭に小型カメラをつけてドリブルをしてもらいどのような違いがあるのかを研究していました。

小井土さんはこの論文の指導にあたりながら、三笘選手の技術向上へのあくなき好奇心を感じたといいます。

彼の場合は、自分が何を知りたいのかという疑問からじっくり考えて、自分のドリブルがなぜ抜けるのか、それを人と比較したら何か分かるんじゃないかというところから始まっている。自分とほかの人との違いが見えたなというところでは、彼に何かしらのプラスがあった研究だったんじゃないかなと思う。自分なりに解決方法を見いだして研究していくという意味では非常に努力の跡がある内容だった。

“パスのタイミングや精度に優れた選手と認識していた”

今回のワールドカップで小井土さんが注目する三笘選手の活躍の1つが、ドイツ戦での1点目につながった南野選手へのパスです。
小井土さんは「自分で角度を作って、ちょうど良いタイミングで、仲間にパスを届ける。入学当初はドリブラーというより、パスのタイミングや精度にすぐれた選手と認識していた。大学入った頃から非凡なものがありました」と話し、三笘選手の多彩な才能が現れた場面だとみています。

小井土さんは、三笘選手の強さのもとになっているのは、高い目標を持ち達成するまであきらめない気持ちだとみています。

強い意志を持って自分で吸収して、自分なりに深めていき、成長していった学生。大学に入ったときから『目標は何だ』と聞いたときにはすぐに『日本代表で主力になること』、『海外でプレーすること』ということを自分のことばで言えていた。そのために、何が必要か目標を明確に決めていた。先が見えず不安もある中で本当に基準をぶらさずに、毎日過ごし続けていたという意味では誰よりも高かった基準を継続できていた。それに尽きる。

“彼はこれで満足しない 応援しているよと言いたい”

そして小井土さんは、大舞台で活躍する三笘選手にねぎらいのことばとともに、エールを送りたいといいます。

日本中の期待を一身に背負っていると思うので、まずは、お疲れさまという言葉になると思います。でも彼は、これで満足しないし、おそらく返ってくることばは『また頑張ります』だけだと思うので、『応援しているよ』と言いたい。

ページトップに戻る