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節電要請(2022年12月から)ポイント付与や冬の効果的な節電は?

  • 2022年11月30日

この冬の厳しい電力需給に対応するため、政府は全国の家庭や企業を対象に1日から節電要請を行います。数値目標は設けず、室内では重ね着をするなど無理のない範囲での節電に 協力を求めることにしています。ポイントの付与や効果的な節電方法をまとめました。

今冬の電力需給は?

まず、この冬の電力需給について。
供給の余力を示す「予備率」が全国すべての地域で、安定供給に最低限必要な3%を確保できる見通しです。

ただ、強い寒波で気温が低下した場合などに、電力需要が想定を超えて増加するおそれがあるほか、ウクライナ侵攻の影響でLNG=液化天然ガスの安定調達に懸念があるなど厳しい状況が続いています。

このため政府は冬の時期としては7年ぶりに節電要請を行うことにしたもので、1日から全国の家庭や企業を対象に数値目標は設けず無理のない範囲での節電に協力を求めることにしています。

期間は来年3月末までで、家庭に対しては、重ね着をするなどして無理のない範囲で暖房器具の設定温度を下げることや、不要な照明を消すことなどを求めています。
また企業に対しては、店舗や執務室の照明を可能なかぎり減らすことや、パソコンやプリンターなどを長時間使用しない場合は、電源を切ることなどを求めています。

さらに政府は、電力の小売り事業者が行う節電プログラムに参加する家庭や企業に買い物などで利用できるポイントを上乗せする支援策も行っています。

ポイントなど支援は?

政府は電力の小売り事業者が実施する節電プログラムに登録した家庭に対しては2000円相当の、企業に対しては20万円相当の、買い物などに使えるポイントを付与する制度をすでに導入しています。

この冬は厳しい電力需給が見込まれることから、経済産業省は10月、来年1月分から3月分の電気料金について、電気の使用量を前の年の同じ月よりも3%以上減らした家庭や企業を対象に、新たな支援策を実施すると発表しました。

実際に削減できた場合、家庭に対しては、1か月あたり1000円相当の、企業には1か月あたり2万円相当のポイントを、事業者が実施する節電プログラムに上乗せする形で、付与することにしています。

来年1月が最も厳しい

政府は、10年に1度の厳しい寒さを想定した場合のこの冬の電力需給は来年1月がもっとも厳しくなるとしていて、供給の余力を示す「予備率」は、東京電力の管内で4.1%という見通しを立てています。
来年2月は、東京電力の管内で4.9%としていて、いずれも安定供給に最低限必要とされる3%の予備率を確保できる見通しです。

ただ、ここ数年、多くの地域で電力需要が当初の想定を上回っているほか、経済産業省では、発電所でトラブルが起きたり、寒波によって気温が大幅に低下したりすれば電力の安定供給に支障が出るおそれがあるとしています。

このため、供給不足への対策が不可欠だとして、休止中の老朽化した火力発電所を再稼働させて、追加的な電源を確保するほか、すでに再稼働している原発を最大限活用するという政府の方針に沿って、テロ対策施設の工事などで運転を一時的に停止している原発の運転再開時期を早めることにしています。

さらに経済産業省では、LNGが不足した場合に備え、電力やガス会社がほかの事業者から融通を受けられるよう、国が仲介する新たな枠組みの整備も進めることにしています。

節電メニューは

冬の時期としては7年ぶりとなる節電要請にあわせて、経済産業省では家庭や企業で取り組める節電メニューをまとめています。

それによりますと、北海道と沖縄以外の地域の場合、冬の1日の家庭での電気の使用割合は、次の通りです。

暖房 32.7%
冷蔵庫 14.9%
給湯器 12.6%
照明器具 9.2%など

家庭で取り組める具体的なメニューと、効果です。

家庭で取り組める節電メニュー
対処法  節電効果
エアコン設定温度 22度→20度  2.7%
窓に厚手のカーテン  0.8%
目詰まりしたエアコンのフィルター掃除 0.8%
冷蔵庫 扉を開ける時間短くなど 1.5%
不要な照明すべて消す 4.5%


そのうえで暖房については、重ね着などをしてエアコンの設定温度を22度から20度に下げると2.7%、窓に厚手のカーテンをかけると0.8%、それに目詰まりしたエアコンのフィルターを掃除すると0.8%の節電効果があるとしています。

また冷蔵庫については、冷やしすぎを避け、扉を開ける時間を短くしたり、食品を詰め込みすぎないようにしたりすることで1.5%の節電効果があるとしています。
さらに不要な照明をすべて消すことで4.5%の節電効果があるということです。

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