1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. JR東日本 営業係数と赤字額 関東地方詳細 輸送密度低い区間の収支

JR東日本 営業係数と赤字額 関東地方詳細 輸送密度低い区間の収支

  • 2022年11月25日

JR東日本は利用が特に少ない66区間の2021年度の収支を公表しました。全区間で総額670億円を超える赤字となっています。関東地方の区間について、100円の運賃収入を得るためにいくらの費用がかかるかを示す「営業係数」と「赤字額」の詳細をまとめました。

関東地方で該当する区間の営業係数と赤字額

関東地方では、「内房線」、「外房線」、「久留里線」、「鹿島線」、「水郡線」、「烏山線」、「吾妻線」、「上越線」の区間についてデータが公表されています。これらの100円の運輸収入を得るためにいくらの費用がかかるかを示す「営業係数」と「赤字額」は次の通りです。

輸送密度2000人未満 区間ごと収支データ(2021年度 関東地方)
線名 区間 営業係数 赤字額
内房線 館山~安房鴨川 1226円 13億4100万円
外房線 勝浦~安房鴨川 1101円 11億7600万円
久留里線 木更津~久留里 1273円 8億600万円
久留里~上総亀山 1万9110円 2億7900万円
鹿島線 香取~
鹿島サッカースタジアム
923円 5億8300万円
水郡線 常陸大宮~常陸大子 2205円 12億8500万円
常陸大子~磐城塙 5258円 4億4100万円
烏山線 宝積寺~烏山 1121円 6億300万円
吾妻線 長野原草津口~大前 3445円 4億8600万円
上越線 水上~越後湯沢 2278円 15億9200万円

 

【内房線】
〇営業係数
千葉県の館山 ~ 安房鴨川 1226円
〇赤字
千葉県の館山 ~ 安房鴨川 13億4100万円

【外房線】
〇営業係数
千葉県の勝浦 ~ 安房鴨川 1101円
〇赤字
千葉県の勝浦 ~ 安房鴨川 11億7600万円

【久留里線】
〇営業係数
千葉県の木更津 ~ 久留里 1273円
千葉県の久留里 ~ 上総亀山 1万9110円
〇赤字
千葉県の木更津 ~ 久留里 8億600万円
千葉県の久留里 ~ 上総亀山 2億7900万円

【鹿島線】
〇営業係数
千葉県の香取 ~ 茨城県の鹿島サッカースタジアム 923円
〇赤字
千葉県の香取 ~ 茨城県の鹿島サッカースタジアム 5億8300万円

【水郡線】
〇営業係数
茨城県の常陸大宮 ~ 常陸大子 2205円
茨城県の常陸大子 ~ 福島県の磐城塙 5258円
〇赤字
茨城県の常陸大宮 ~ 常陸大子 12億8500万円
茨城県の常陸大子 ~ 福島県の磐城塙 4億4100万円

【烏山線】
〇営業係数
栃木県の宝積寺 ~ 烏山 1121円
〇赤字
栃木県の宝積寺 ~ 烏山 6億300万円

【吾妻線】
〇営業係数
群馬県の長野原草津口 ~ 大前 3445円
〇赤字
群馬県の長野原草津口 ~ 大前 4億8600万円

【上越線】
〇営業係数
群馬県の水上 ~ 新潟県の越後湯沢 2278円
〇赤字
群馬県の水上 ~ 新潟県の越後湯沢 15億9200万円

公表対象 2019年度・2021年度「輸送密度」2000人未満

JR東日本によりますと、1日平均何人を運んだかを示す「輸送密度」が2000人未満の利用が特に少ない区間は、2021年度は36路線、72区間ありました。
このうち、2019年度も「輸送密度」が2000人未満だった35路線、66区間の昨年度の収支を公表しました。

それによりますと、この66区間はすべて赤字で、赤字額は合わせて679億円となっています。経費の削減を進めたことで新型コロナの感染拡大前の2019年度と比べて、14億円程度赤字額は減ったものの、依然として大幅な赤字を抱える状況です。

〇採算が最も悪い区間(営業係数)
100円の運輸収入を得るためにいくらの費用がかかるかを示す「営業係数」について2021年度は、陸羽東線の宮城県の鳴子温泉駅と山形県の最上駅の区間が2万31円と最も採算が悪くなりました。
100円の収入のためにほぼ200倍の費用がかかっている計算です。

〇赤字額最多の区間
区間別で赤字額が最も多いのは、羽越本線の新潟県の村上駅と山形県の鶴岡駅の区間で、2021年度の赤字額は49億9800万円となっています。

赤字続く地方鉄道 持続的な地域交通について協議

赤字が続く地方鉄道をめぐっては、国が今後のあり方や支援強化に向けた法改正などの検討を進めています。JR東日本では利用が特に少ない区間を中心に自治体に対して収支状況などの説明を始めていて、バスへの転換なども含めた持続的な地域交通について今後、協議を進める方針です。

ページトップに戻る