新型コロナウイルスのオミクロン株のうち「BA.1」に対応するワクチンの副反応についての分析結果を厚生労働省の研究班が初めて公表しました。副反応が出るのは接種の翌日がピークで、研究班は「従来のワクチンの3回目接種の副反応と大きな違いは無いとみられる」としています。
一方、新型コロナの第8波が懸念されるなか、東京都では、オミクロン株に対応したワクチンを接種する人が増えています。
オミクロン株に対応するワクチンを取り巻く現状をまとめました。
厚生労働省の研究班はことし9月から接種が始まったファイザーとモデルナの「BA.1」対応ワクチンについて、接種してから1週間までの副反応を分析し、11日に開かれた専門家部会で公表しました。
ファイザー・モデルナ「BA.1」対応ワクチンの副反応 | ||
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症状 | ファイザー(55人) | モデルナ(23人) |
全身のけん怠感 | 61.8% | 73.9% |
頭痛 | 43.6% | 52.2% |
37.5度以上の発熱 | 34.5% | 43.5% |
それによりますと、ファイザーのワクチンを接種した55人の副反応が起きた割合は、接種の翌日では、全身のけん怠感が61.8%、頭痛が43.6%、37.5分以上の発熱が34.5%でした。
また、モデルナのワクチンを接種した23人では、全身のけん怠感は73.9%、頭痛は52.2%、37度5分以上の発熱が43.5%でした。
副反応が出たのは接種の翌日がピークで、2、3日後にはほぼおさまったということです。
研究班の代表で、順天堂大学医学部の伊藤澄信特任教授は「調査の母数がまだ少ないものの、従来のワクチンの3回目接種の副反応と大きな違いは無いとみられる」としています。
一方、厚生労働省は、11日に開かれた専門家部会で「BA.5」対応のファイザーのワクチンを接種した2人の女性が死亡したと、医療機関から報告を受けたことを明らかにしました。
このうち、87歳の女性は、脳梗塞の後遺症などの基礎疾患があり、11月1日に接種し3日後に亡くなったということです。
死因は不明で、接種と死亡との因果関係は現時点で評価できないとしています。
また、42歳の女性は、11月5日に集団接種会場で接種した直後に容体が急変し、搬送先の病院で亡くなったということです。
今後、情報収集を行い、専門家による評価を行うとしています。
新型コロナウイルスの第8波が懸念されるなか、ワクチン接種について街の人たちはどう考えているのか聞いてみました。
3回接種しています。ちょうど予約を入れたオミクロン対応型のものができてきたのと直近、感染者の数が増えているので、オミクロン対応を待ってましたね。
ワクチンは2回目で止まっています。副反応がでたときに子どもいたら抱っこがしんどかったり、腕が痛くなったりするじゃないですか。
東京・墨田区はオミクロン株に対応したワクチンの集団接種会場を6か所設けて接種を進めています。
このうち、区役所に設けた会場は、1日あたり240人の予約枠がありますが、11日から2週間あまりは高齢者を中心にすべて埋まっているということです。
区では現役世代が接種を受けやすいように夜間の集団接種会場も設けていますが、週末を中心に予約が埋まる日も出てきていて、枠を増やすなどの対応をしているということです。
5回目の接種を受けた70代 女性
「肺の手術をしていて命に関わるので、かかっても軽く済むように接種を受けました」
60代 男性
「土日が埋まっていたのできょう接種に来ました。副反応の情報がなく不安はありますが、仕事に影響が出ると思い、打つことにしました」
墨田区保健所 岩瀬均次長
「接種が面倒になっている方もいるかもしれないが、重症化予防の効果もあるので第8波対策で多くの人に接種を受けてほしい」
東京都によりますと、オミクロン株に対応したワクチンを都内で、1日あたりに接種した人数は、11月1日がおよそ4万5800人でしたが11月8日にはおよそ7万2000人まで増えています。
都内には、現在4か所に、都の集団接種会場が設置されていますが、今週末の予約枠はほぼ埋まっているということです。高齢者を中心に5回目の接種券の発送も、進んでいることから都は、今後も接種を希望する人は多くなるとみています。