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コロナ第8波 忘年会どうする? 行動制限の考え方や感染状況は?

  • 2022年11月10日

新型コロナウイルスについて専門家は、ことし夏の第7波のような感染拡大につながる可能性があると指摘しました。全国の新規感染者数は増加傾向で、年末に向けて人との接触機会が増える影響に注意が必要だとしています。感染者が増加した場合、行動制限はどうなるのか、また企業では忘年会や新年会についてどう対応しようとしているのか、現時点の情報をまとめました。

感染再拡大の懸念 迅速な対応に向け保健所では

新型コロナの感染の再拡大が懸念される中、都は患者の対応を行う保健所の負担を軽減しようと、問い合わせの手法や、患者情報の管理などについてデジタル化を進めています。

報道陣に公開された府中市の多摩府中保健所では、以前は、患者への連絡を電話で行っていましたが、携帯電話のショートメールで連絡事項を一斉送信するシステムを導入したことで職員の負担が軽減するとともに迅速な対応ができるようになったということです。

新規感染者数 北海道は第7波ピーク時に迫る水準

厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、8日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて1.40倍に増加しています。
首都圏の1都3県では、東京都が1.51倍、神奈川県と埼玉県が1.48倍、千葉県が1.35倍と増加が続いています。

新型コロナの感染状況について専門家会合は、現時点でことし夏の第7波のときほどは急激な増加にはなっていないが、全国で増加傾向となり増加幅に地域差があると指摘しました。
特に北海道では第7波のピーク時に迫る高い水準の感染となっているほか、東北や北陸、甲信越、中国地方では大きく増加しているとしています。

加藤厚生労働大臣(11月9日 専門家会合)
「新規感染者数は全国で増加傾向となっている。この傾向は今後も継続し、いわゆる『第8波』につながる可能性もある。仮に、前回の感染拡大と同様のスピードで継続した場合2週間後には前回のピークを超える可能性も想定されている」

感染拡大の傾向 飲食店に影響の懸念も

新型コロナの感染が再び拡大傾向にあり、飲食店の間では営業に影響が出ないか懸念する声が上がっています。

東京・新橋の焼き鳥店「山しな」は、去年は新型コロナの影響で忘年会の予約はほとんどありませんでしたが、ことしは少しずつ入り始めているということです。
団体客の予約の一方で、少人数での予約も多い傾向で、人数を抑えて開催する動きもみられるということです。

店主 山科昌彦さん
「せっかく予約、問い合わせが入ってきているところで、感染者が増えて一気にストップ、もしくはキャンセルになってしまうおそれもある。感染拡大と物価高のダブルパンチはつらい。飲食や旅行が元に戻ろうとしている中で、また振り出しに戻るのは勘弁してほしい」

忘年会や新年会 企業の対応は

民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」は10月、全国の企業に忘年会や新年会を行うかインターネットでアンケート調査を行いました。

調査には4611社が回答し、「開催する」と回答したのは38.6%で、2021年より9ポイント上昇したということです。
このうち、「まん延防止等重点措置の対象となっていなければ開催」は25.6%、「緊急事態宣言の対象となっていなければ開催」は7.7%、「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に関係なく開催」は5.3%でした。

感染の拡大 行動制限についての考え方は

新型コロナの感染が拡大する中、松野官房長官は、11月9日午前の記者会見で、今後の感染拡大が、オミクロン株と同じ程度の感染力と病原性のウイルスによるものであれば、基本的には行動制限を行わない考えを重ねて示しました。

松野官房長官(11月9日)
「全国の新規感染者数は足元では増加傾向にあり、とりわけ北海道では過去最多となっているほか、病床使用率も増加傾向にある。全国的な感染拡大につながる可能性もあることから、緊張感を持って動向を注視していく。感染拡大がオミクロン株と同程度の感染力や病原性の変異株によるものであれば、新たな行動制限は行わず、社会経済活動を維持しながら感染拡大防止策を講じることを基本的な考え方としている」

第7波と同程度か上回った場合の対応は

政府の新たな方針では、現在5段階にわかれている感染状況のレベルのうち、感染者がいない「レベル0」をなくし、4段階に見直すとしています。

そして、ことし夏の「第7波」と同じ程度か、それを上回る状況になった場合などをレベル3の「感染拡大期」と位置づけるとしています。
「感染拡大期」になれば、都道府県が「対策強化宣言」を出し、住民に対し、症状がある場合の外出や出勤などの自粛や大人数の会食への参加の見合わせなど、慎重な行動を要請できるようにするとしています。

また、医療全体が機能不全の状態になるなどした場合は、最も深刻なレベル4の「医療ひっ迫期」とし、出勤の大幅抑制や帰省・旅行の自粛、それに、イベントの延期などより強力な要請を可能にするとしています。

“夏の第7波のような感染拡大の可能性”

9日開かれた厚生労働省の専門家会合では、今後について、大都市での短期的な予測などでは増加傾向が続き「この夏のような感染拡大につながる可能性がある」としていて、年末に向けて社会経済活動が活発化することで人と人との接触機会が増えることによる影響に注意が必要だと指摘しました。

また、現在主流になっているオミクロン株の「BA.5」のほか、今後は、海外で感染者数増加の要因になっていると指摘されているオミクロン株の「BQ.1」などについても割合が増加する可能性があり、注視が必要だとしています。

“感染拡大が続く可能性はある 個人で準備も”

会合のあと開かれた記者会見で、脇田隆字座長は今後の感染拡大の見通しや備えについて次のように述べました。

〇感染状況の分析
オミクロン株対応のワクチンの接種がそれほど進まず、免疫が減弱してきているほか、東京では夜間滞留人口が増えて去年の忘年会シーズンとほぼ同じくらいの人出になるなど、社会活動が活発化している。また、免疫から逃れるとされる新たな系統の変異ウイルスが今後増えるとも予測され、感染拡大が続く可能性はあるといった議論があった。

〇今後の見通しと備え
「第7波」の感染者数や死亡者数が十分に下がりきっていない中で、すでに感染者数が増加している。今後、高齢者に広がると、重症者数や死亡者数の増加もありうる。個人でできる準備も必要で、オミクロン株対応のワクチン接種をしてほしい。また、自宅で抗原定性検査キットや解熱鎮痛剤をぜひ準備して発熱したときに受診するときの流れを確認してほしい。

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