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第8波へ対策は?新型コロナ・インフル混合ワクチン 米で臨床試験

  • 2022年11月4日

新型コロナウイルスの新規感染者数は、特に東日本を中心に増加のペースが上がっていて、インフルエンザとの同時流行も懸念されています。製薬会社のファイザーなどは、新型コロナとインフルエンザの両方に効果がある混合ワクチンについて、アメリカで臨床試験を開始したと発表しました。感染状況や新たなワクチンの動きなどについて、専門家の見方とあわせてまとめました。

新型コロナ感染者 東日本中心に増加ペース上がる

NHKは各地の自治体や厚生労働省で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。
このうち東京都は11月3日まででは1.39倍で、1日あたりの新規感染者数はおよそ4700人となっています。

また、全国では1.38倍と47都道府県すべてで増加し、特に東日本を中心に増加のペースが上がっています。
人口あたりの感染者数が最も多いのは北海道で、3日までの1週間では前の週の1.45倍と増加が続いています。1日あたりの新規感染者数はおよそ5490人で、人口10万あたりの感染者数は735.50人となっています。

新型コロナの全国の感染状況について、松野官房長官は、11月2日の午前の記者会見で、先週、横ばいだった新規感染者数が増加に転じ、特に北海道や東北などでは増加傾向が顕著だと説明するとともに、今後、インフルエンザとの同時流行も懸念されると指摘しました。

コロナ・インフル混合ワクチン 米で臨床試験開始

こうしたなか、製薬会社のファイザーとビオンテックは3日、新型コロナとインフルエンザの両方に効果がある混合ワクチンについて、アメリカで臨床試験を開始したと発表しました。

混合ワクチンは、4つの異なるタイプのインフルエンザウイルスに対応するワクチンと、新型コロナウイルスのオミクロン株「BA.5」などに対応するワクチンを組み合わせたものです。臨床試験では、18歳から64歳の180人を対象に、安全性や接種する最適な量、それにウイルスの働きを抑える中和抗体がどれくらいできるか調べるということです。

新型コロナとインフルエンザの混合ワクチンをめぐっては、製薬会社のモデルナやノババックスも開発を進めていて、1つのワクチンで対応できるようにすることで、より多くの人を感染症から守ることがねらいです。

モデルナのBA.5対応ワクチンの承認了承 接種状況は…

新型コロナウイルスのオミクロン株のうち感染の主流になっている「BA.5」に対応するモデルナ製のワクチンについて、厚生労働省の専門家による部会で国内での使用を承認することが了承されました。早ければ11月にも接種が始まる見通しです。

オミクロン株に対応したワクチンを巡っては、9月からファイザーとモデルナの「BA.1」対応のワクチン、10月からファイザーの「BA.5」対応ワクチンの接種が始まっていますが、政府が10月31日に公表した状況によりますと、接種を受けた人の数は、国内で595万人余りと、全体の4.7%となっています。

専門家 “第8波の入り口に”

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授に現在の感染状況や今後の対策などについて聞きました。

東邦大学 舘田一博教授
「全国的にじわじわと感染者が増え、北海道や東北、関東甲信越など東日本を中心に増加傾向が強く見られていて、まさに第8波の入り口に入りつつある。秋の行楽シーズンで人の動きが活発になり、さらに年末年始には忘年会や新年会などや、ふだん会わない人と会う機会も増え、どうしても感染は広がる。ウイルスが変異していく中でも、オミクロン対応のワクチンであれば、カバーすることができるので接種を行うことと、基本的な感染対策を改めて徹底して、第8波に備えてほしい」

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