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コロナ第8波 “2月までに800万人感染”の試算 ワクチン接種進むと?

  • 2022年10月28日

新型コロナウイルスの「第8波」の見通しについて、2023年2月までに800万人程度が感染する一方、ワクチンの接種が順調に進めば30%近く減らすことができるとするシミュレーション結果を京都大学の西浦博教授が示しました。ワクチンの追加接種の進み具合ごとにまとめられた試算の詳細、現在の感染状況やワクチン接種の状況などをまとめました。

新規感染者 年末に向け接触機会増の影響に注意

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合で26日示された資料によりますと、10月25日までの1週間の新規感染者数は、全国では前の週と比べて0.96倍と、増加傾向だった先週から変わってほぼ横ばいとなっています。

専門家会合は、感染状況には地域差があると指摘し、東京都をはじめ多くの地域で夜間の繁華街などでの人出が増加していて、年末に向けて社会経済活動が活発化することで人と人との接触機会が増えることによる影響に注意が必要だとしています。

第8波の感染者・入院者数 シミュレーション結果

26日の専門家会合では、新型コロナの第8波について数理疫学が専門の京都大学の西浦博教授が、感染が広がる勢いやワクチンの接種状況を仮定したシミュレーションの結果を示しました。
シミュレーションは、1人が何人に感染を広げるかを示す「実効再生産数」が、第7波が始まったことし7月ごろの東京よりもやや低い程度の「1.2」と想定し、今後のワクチンの追加接種の進み具合ごとに、複数のシナリオで感染者数や入院者数を試算しています。

なお、この夏の「第7波」では7月から9月までの3か月間だけでおよそ1200万人に上り、医療がひっ迫して死亡者数もこれまでの感染拡大で最大になりました。

〇実効再生産数「1.2」基本シナリオ
ワクチン接種が現状のペースの場合、感染者数は最大で1日に20万人近くとなり、10月10日から2023年2月28日までの累計ではおよそ844万人、入院者数は累計でおよそ32万人になると試算されたということです。

〇追加接種が3回目と同水準
今後のワクチンの追加接種が1日最大85万回行われ、3回目の接種と同じ水準まで4か月かけて進むとすると、感染者数の累計は27%少ないおよそ616万人、入院者数の累計は31%少ないおよそ22万人まで抑えられるとしています。

〇追加接種が3回目の半分
追加接種が1日最大42万回で、4か月かけて3回目の接種の半分の水準までしか進まないとすると、感染者数の累計は減少幅が15%でおよそ714万人、入院者数の累計は減少幅が18%でおよそ26万人になると試算されたとしています。

〇追加接種が2回目と同水準
一方で、追加接種が1日で最大111万回に上り、2021年行われた2回目の接種と同じ水準まで4か月で進むという想定では、感染者数の累計は35%少ないおよそ550万人、入院者数の累計は38%少ないおよそ20万人に抑えることができるとしています。

西浦教授は、このほか「実効再生産数」が、第7波が始まったことし7月ごろの東京と同程度の「1.3」や、さらに高い「1.4」になるという仮定でもシミュレーションを行っています。
感染者数は、実効再生産数が「1.3」のときは10月10日から2023年2月28日までの累計でおよそ1038万人、「1.4」のときはおよそ1207万人に上り、ワクチンの追加接種の加速によって感染者数や入院者数を大きく減らすことができるとしています。 

京都大学 西浦博教授
「ワクチンの接種を確実に進めることで、入院者数を2割程度減らすことができるなど、インパクトは大きい。実効再生産数が低く流行がゆっくりと進むときにはワクチンの接種が間に合いやすい傾向があり、感染予防対策と組み合わせられると、より効果が期待できる」

今回のシミュレーションでは、これまでに感染したことやワクチン接種によってどれくらいの人が新型コロナに対する免疫を持っているかや、今後、年代ごとのワクチンの追加接種がどれだけ進むかをもとに、全国の感染者数を試算してまとめたということです。

8300万人が新型コロナワクチンを3回接種

政府が10月24日に公表した最新の状況によりますと、これまでに国内でワクチンの3回目の接種を受けた人の総数は8302万5397人、全人口に対する接種率は65.9%となりました。

このほか、5月から60歳以上の人と18歳以上の基礎疾患のある人などを対象に行われている4回目の接種を受けた人は全国で3881万1358人です。

実際はこれ以上に接種が進んでいる可能性があり、今後、増加することがあります。

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