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東京 渋谷 映画館「渋谷TOEI」12月閉館 69年の歴史にピリオド

  • 2022年10月20日

東京・渋谷の街で70年近くの歴史があり、大手映画会社「東映」の直営第1号でもある映画館「渋谷TOEI」が、ことし12月4日に閉館することになりました。映画ファンからは「ちょっと悲しいです」とか「名残惜しい気がします」などと、閉館を惜しむ声が相次いでいます。

「渋谷TOEI」69年の歴史に幕

今から40年余り前、現在の建物に建て替わる前の「渋谷TOEI」です。大勢の親子連れや子どもたちがお目当ての映画の上映をいまかいまかと待っています。

会場の外の階段にまで座って待つ大勢の人たちからは、当時の熱気が伝わってきます。
そんな歴史のある映画館の閉館は10月19日に発表されました。
閉館まで1か月余り。映画館に訪れた人たちからは閉館を惜しむ声が聞かれました。

ちょっとびっくりしました。無くなっちゃうんだと、ちょっと悲しい。

結構好きな雰囲気の劇場だったので、少し名残惜しい気になりました。

シネコンや新型コロナで運営困難

「渋谷TOEI」は、大手映画会社「東映」の初めての直営の映画館として1953年に開館しました。ビルの建て替えに伴うリニューアルなどを経ながら69年にわたって営業してきました。運営会社によりますと、最初に上映されたのは、邪馬台国の女王、卑弥呼を描いた「日輪」でした。

渋谷の街でも撮影が行われ、2000年に公開された、深作欣二監督の「バトル・ロワイアル」の上映には多くの映画ファンが訪れたということです。多くの人気アニメーションも上映され、幅広い世代に親しまれてきましたが、運営会社は、ことし12月4日に閉館することを決めました。

シネマコンプレックスと呼ばれる複数のスクリーンがある大型の映画館が増えるなか、新型コロナの影響も重なって来場者数が伸び悩むなど、運営が難しくなったと説明しています。

東映 内藤恵 広報室長代理
「今回のニュースを受けて、思いがけないほどの反響を受け、非常に感謝している。12月4日まで上映を続けているので、ぜひこの機会に足を運んでいただければ」

ポップカルチャーの原点に…

映画業界に詳しいライターのよしひろまさみちさんです。
4歳で初めて入った映画館が渋谷で、高校時代などにもよく行ったといいます。

よしひろまさみち さん
「渋谷に映画を見に行って、そのあと買い物をして食事をしてと、フルパッケージで楽しむ方はたくさんいたと思う。特に私の世代ではとても多かったと思うので、渋谷の東映もその中の1つとして楽しまれた方多かったのではないかと思う」

閉館する東映の映画館がある渋谷駅東口は、かつて映画街として知られていました。

「映画館でも一番大きいスクリーンを抱えていたところが閉館になり、新しい商業施設になって、映画界としての役割が、東口はちょっとずつ薄れてきたというイメージがある。渋谷駅東口は、新しいものと古いものが混在するおもしろい場所なので、ポップカルチャーの原点で、若い人たちが支えていく映画、若い人が喜ぶ映画をかければ、文化の発信地として活性化していくと思う」

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