10月17日、ロシアの国立バレエ団の公演が、東京・新宿区で行われました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続くなか、政治と芸術は、区別すべきという声がある一方、公演に反発する声も上がっています。
公演を行ったのは、ロシアの国立バレエ団「モイセーエフバレエ」です。
17日夜は、初日の公演が東京・新宿区で行われ、およそ80人のダンサーが民族舞踊とクラシックバレエを融合させた14の演目を披露しました。
主催した「ロシア文化フェスティバル日本組織委員会」によりますと、バレエ団は、主にロシア人のダンサーで構成され、新型コロナの影響で、おととし予定されていた公演が延期になったため、このタイミングでの来日となったということです。1800席ある会場は、ほぼ満席となりました。
文化と今、ロシアがやっていることは違うものだと思う。そこは割り切って考えましたね。
こういう状況で踊らないといけないのはいちばんつらいんじゃないかと思います。ようこそいらっしゃましたってそういう状況がいちばんいいんだと思います。本当に早く戦争が終わってほしい。
ロシア文化フェスティバル日本組織委員会 長塚英雄 事務局長
「政治と文化芸術を分けて考える。厳しい情勢のときだからこそ文化・芸術の交流が大事ではないかと思うんです。特に生の芸術に触れてほしいですね」
公演めぐり中止求める動きも一方、この公演をめぐっては、ウクライナへの軍事侵攻が続いていることから、オンライン上で、中止を求める署名の動きもありました。
署名を呼びかけたウクライナ人のボグダン・スルシンスキさんは、「文化芸術だけを切り離して考えることはできない」としています。
署名を呼びかけたウクライナ人 ボグダン・スルシンスキさん
「ウクライナ文化はロシア侵攻で危機に入っている。戦争が続いている限り、開催者も考えなおしていただければ、ロシアのものを消費する前に、ちゃんと考えた方がいいです」