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明治神宮外苑の再開発 “イチョウ並木を名勝に” 提言の背景は?

  • 2022年10月7日

ユネスコの日本国内の諮問機関「日本イコモス国内委員会」は、明治神宮外苑の再開発による樹木の伐採をめぐり、名所のイチョウ並木を、「名勝」に指定するよう求める提言書を東京都に提出しました。イチョウ並木について事業者は「すべてを保全する」としている一方で、懸念もあるということです。提言の内容やその背景についてまとめました。

明治神宮外苑の再開発 都心の緑をどうするか

東京・新宿区などにまたがる明治神宮外苑はおよそ100年前に作られ、全国からの寄付によって、さまざまな地域から運ばれてきた樹木は都心に広がる貴重な緑となりました。

この明治神宮外苑の再開発をめぐっては、971本の樹木を伐採するとした事業者の計画に専門家から環境影響への懸念が示されたことを受け、事業者は伐採本数を4割ほど減らす案を示しています。

“イチョウ並木を名勝に” 日本イコモスが提言書

明治神宮外苑の再開発による樹木の伐採について、文化財の保護に取り組むユネスコの日本国内の諮問機関「日本イコモス国内委員会」は6日、名所のイチョウ並木は「近代日本の公共空間を代表する文化的資産だ」として、公的な保全の対象となる「名勝」に指定するよう求める提言書を都に提出しました。

イチョウ並木について事業者は「すべてを保全する」としている一方、イコモス側は計画通りの場所に新しい神宮球場が建てられれば、樹木が枯れることなどが懸念されるとしています。
会見した日本イコモス国内委員会の担当者は「提言によってどうイチョウ並木の景観を継承してくべきか考えてほしい」と話していました。

“イチョウ並木の根を調査して説明を”

再開発について東京都の審議会は8月、都民への積極的な情報公開に努め環境保全措置を徹底して行うことが重要だとする答申をとりまとめています。

また、名所のイチョウ並木から8メートルの位置に外壁を建てるとしている新しい神宮球場については、並木への影響が懸念されていることから、球場の実施設計前に専門家による並木の根の調査を行い、結果を説明することを求めています。
さらに、イチョウの健全な育成へ影響を与えるような根が複数確認された場合は、根を避けるための工夫を行うことも求めています。

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