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静岡・牧之原 通園バスで園児死亡 二度と繰り返さないためには

  • 2022年9月13日

静岡県牧之原市の認定こども園で3歳の女の子が通園バスの車内に取り残され熱中症で死亡した事件から9月12日で1週間となりました。子どもの病気や事故の啓発活動をしている専門家は、「いつ、どこでも起こりうる可能性がある」と捉えて対策を検討してほしい指摘しています。同じような事件を繰り返さないために何ができるかまとめました。

通園バス 園児死亡から1週間

静岡県牧之原市の認定こども園で、3歳の女の子が通園バスの車内に取り残され熱中症で死亡した事件から1週間がたちました。献花台には朝から手を合わせる人の姿が見られました。献花台に置ききれないほどの飲み物も供えられていました。

訪れた人
「かわいそうどころじゃない。誰かしらが気付いてくれてれば、こんなことにならなかった」

事件をめぐっては、当日バスを運転していた理事長が、園児がバスを降りる際に車内の確認をしていなかったり、クラスの担任が、女の子が教室にいなかったのに欠席と考えて保護者に問い合わせをしなかったりと、複数のミスが重なったことが明らかになっています。

再発防止へ 取り組み始まる

事件を受け、各地で再発を防ぐための取り組みが行われています。

埼玉県狭山市にある幼稚園では、園児や保護者などが参加して、ある訓練が行われました。
園児が通園バスに取り残されたことを想定し、クラクションを鳴らして助けを求める方法を学ぶというものです。園児たちは、手で押したり、力が足りない時に備えてハンドルに座ったりしてクラクションを鳴らしていました。
また、警察官から誰かが助けに来てくれるまで押し続けることも教わっていました。

訓練参加者
「きょう練習できてよかった。こういう機会をしっかりともってもらえるというのはこちらとしてもありがたい」

武蔵野短期大学附属幼稚園 小島直子園長
「きょう1回だけではなくて繰り返し伝え、気を引き締めてお子さんたちの命を守っていきたい」

自分事と捉え “社会全体”で

短時間で命に関わる状況になるという夏の車内。専門家は、子どもは大人以上にリスクが高くなると指摘しています。

佐久医療センター小児科 坂本昌彦医師
「JAFの調査でも、クーラーを切ったわずか15分後に人体に危険な温度まで上がると言われていて、日陰に駐車したり車の窓が開いていたりするから大丈夫という訳ではない。子どもは体重あたりの体表面積が大人より大きいことなどから車内では熱中症になるスピードは大人と比べておよそ3倍から5倍になると言われている」

このため、バスなどに取り残された際に自分で身を守る方法を子どもたちに事前に複数教えておくことも大切だとしています。

坂本医師は、アメリカでは、クラクションの鳴らし方、チャイルドシートのバックルの外し方、ハザードランプのつけ方、運転席側のドアの開け方などを子どもに教えておくことが提案されていると説明します。
そのうえで実際にどこまでできるのか、一人ひとりの発達の度合いや年齢によってできることと、できないことが変わってくるので工夫が必要になると訴えています。

さらに、坂本医師によりますと、欧米では子どもが後部座席に乗っていることを知らせてくれるアプリや生体反応を関知するセンサーを車内に導入する動きもあるということです。

佐久医療センター小児科 坂本昌彦医師
「どんな人、どんな園であっても起こりうる可能性があると“自分事”として捉えることがスタートラインだと思う。ミスをしても大きな事故につながらないような取り組みが社会全体に求められている」

各家庭の対応は・・・

静岡で3歳の女の子が通園バスに取り残されて亡くなった事件から1週間がたちましたが、ネット上に見られた保護者の声から、各家庭での対応などについてご紹介します。

年少の娘と訓練しました。
子どもの力では鳴らせないので、登園時に持っている水筒を当てて体重をかければ娘の力でも鳴らせました。
小さい子どもは力が弱いので、お尻で押すように教える。
うちは、子どもの手ではクラクションを鳴らせないと思う。
ハザードをつけさせる方が楽じゃなかろうか。
旦那と相談して、内側からの車の鍵の開け方の練習をする事にしたよ。
子どもにホイッスルを持たせて、何かあったら吹くってことを教える。

また、なかには子どもとシミュレーションをして、いざというときにどうすればいいか、一緒に考えたという声もありました。

子どもに『もしも車に閉じ込められたら、どうするのか?』と尋ねると…

 

まずはドアを開けて出る。鍵を開けて出る。

『じゃあ、ドアが開かなかったら?』と聞いたら。

…。

ほかにも「子どもたちを集めて、もしも車やバスに閉じ込められた場合、どうすれば周りの大人に気付いてもらえると思う?って話し合った」という人もいました。

そして、もうひとつ、ご紹介します。去年、福岡で同様の事件が起きた際、クラクションを鳴らすことを教えたという方が大事なことを言っていました。

「改めて娘に聞いてみたところ、1年たってすっかり忘れていた。一度、教えても安心せず定期的に話題にするのが大事」

みなさん、今回の事件をとても重く受け止めていることがうかがえます。
幼い子どもがバスなどの車内に取り残されて亡くなるようなことを2度と繰り返されないためにも、周りの大人が自分事ととらえ、社会全体でできることにしっかり取り組むことが重要だと思います。

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