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コロナ第7波 “肺炎以外で死亡多い” 中等症から亡くなる割合も増加

  • 2022年9月12日

新型コロナウイルスの第6波以降、患者のデータを分析した結果、コロナの症状が中等症で亡くなる人の割合が増えたことがわかりました。第7波では死亡する人の数が依然として多い状況が続いていますが、医療現場からは、コロナによる肺炎が悪化して重症化するケースが多かった第5波までとは異なり、基礎疾患や全身状態が悪化して亡くなる高齢の患者が多いとする指摘が相次いでいます。

“第6波以降 中等症からの死亡増加 90%近くに”

国立国際医療研究センターは、8月下旬までに全国各地の医療機関に入院した7万人あまりのうち、亡くなった2861人の経過を分析しました。その結果です。

〇重症で亡くなった人の割合は
コロナによる肺炎が悪化し人工呼吸器が必要になるなど重症だったのは、2021年夏の第5波では亡くなった患者のうちの42%だったのが、ことし初めからの第6波では13%と減少していました。さらに、ことし夏の第7波では分析を行った時点で亡くなった人は少なかったものの、重症だった人は5%でした。

〇中等症だった人は
中等症だったのは、第5波では57%だったのに対し、第6波で83%、第7波で89%と増加していてワクチン接種が進んだことなどで重症の肺炎になる患者が減った一方、コロナ感染をきっかけに持病が悪化して亡くなる患者が多くなっているとしています。

分析した大曲貴夫国際感染症センター長
「中等症でも、特に持病のある高齢者は臓器の働きが悪くなって衰弱し亡くなる人が目立つ。『コロナは死ぬような怖い病気ではなくなった』という意見もあるが、現場ではコロナにかからなければ亡くなることはなかったというケースばかりだ。なるべくかからないよう対策しワクチン接種で重症化を回避することを続ける必要がある」

肺炎悪化で重症化が多かった第5波までと異なる

新型コロナウイルスの第7波では感染者数の減少傾向が続く一方で、亡くなる人の数は連日200人を超えるなど、依然として多い状況が続いています。

医療現場からは、コロナによる肺炎が悪化して重症化するケースが多かった第5波までとは異なり、基礎疾患や全身状態が悪化して亡くなる高齢の患者が多く、死亡に至る患者の容体の傾向が変化しているとする指摘が相次いでいます。

亡くなるケース 感染きっかけに持病悪化や全身衰弱

中等症を中心に新型コロナの患者を受け入れてきた東京・北区の「東京北医療センター」では、現在の入院患者のほとんどは軽症と中等症だということです。

病院によりますと、ことしに入ってから亡くなった患者は19人で、コロナによる肺炎で死亡した人はいなかったということです。

第5波までは肺炎が重症化して亡くなるケースがほとんどでしたが、第7波では、高齢の患者が感染をきっかけに持病が悪化したり、全身が衰弱したりして亡くなるケースが大半だということです。

東京北医療センター 宮崎国久医師
「去年までは中等症の患者が一定の割合で重症化していたが、現在はほとんどが軽症と中等症となっている。ただ、感染の数が増えすぎると、いくら軽症といっても亡くなる方は間違いなく増えるので、全体でワクチン接種を進めることが重要だ」

“介護・リハビリ含め 総合的な診療への対応が必要”

一方、重症患者の命を救うための治療にあたってきた医療機関でもこうした傾向の変化は顕著に表れています。

埼玉県川越市にある「埼玉医科大学総合医療センター」では、第5波では人工呼吸器が必要な患者が最も多い時で8人いましたが、現在は高齢の患者が中心で、大半が軽症や中等症だということです。
一方、新型コロナの重症度としては「軽症」「中等症」であっても、こうした高齢の患者は基礎疾患の悪化や体力の衰えで別の感染症に感染するケースも多いということです。

埼玉医科大学総合医療センター感染症科 岡秀昭教授
「現在はいくら手を尽くしても寿命が尽きるように亡くなる方が多い。高齢者はコロナによる高熱で体に大きなストレスがかかり基礎疾患が悪化するケースがあるので、病状のこまやかな見極めが重要になってくる。これまでは主にコロナの治療にだけ対応していればよかったが、今後は縦割りの専門分野に細分化した医療ではなく介護やリハビリも含めた総合的な診療への対応が必要だ」

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