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学校のコロナ感染対策 消毒・行事・後遺症の対応 専門家2人に聞いた

  • 2022年8月30日

新型コロナの感染の第7波が続くなか、夏休みを終え、学校では順次、授業を再開しています。感染対策について各学校では模索しながら対応していますが、SNSでは学校での感染拡大を不安視する声もあがっています。感染リスク、消毒や道具の共有など対策の考え方、体調不良や後遺症のケアなど、2人の専門家にとるべき対応について聞きました。

学校再開と感染リスク 2人の専門家は

聖路加国際病院QIセンター感染管理室 坂本史衣マネジャー
「全体の感染状況にどれくらい影響を与えるかはまだ分からないが、物理的に多くの子どもが1か所に集まる機会が生まれると、子ども同士で感染し、それが家庭にも広がるリスクがある」

国際医療福祉大学 松本哲哉主任教授
「これまでの感染対策のノウハウも蓄積されているので、学校が始まったら必ずクラスターが起きるということではない。ただ、学校では基本的に同じクラスで一緒に過ごすので、まったく話さないわけにもいかない。感染が広がりやすい場であることは間違いない。リスクが上がることは、ある程度想定しておいたほうがいいと思う」

学校での感染対策 消毒・道具の共有・行事は

坂本マネジャー
「学校でのこれまでの感染対策を整理し、リスクをしっかり下げることができる効果的なものに絞っていくことを考えるべきだ。手で触れたものを介した感染は感染が広がるメインのルートでは無いことがわかってきている。頻繁な消毒や持ち物や道具を共有しないなどといった対策は、やめていく方向でよいのではないか。一律に行事をやめてしまうといった対応も見直すべきだ」

学校での感染対策 マスクの着用は

松本主任教授
「(マスクは)感染対策上、非常に重要であることは間違いない。ただ、マスクをつける場面とそうでない場面でメリハリをつけることが大事だ。例えば、換気をしていてみんなが声を出さない場面などはマスクを外すことも考えてよいと思う。その場合、個人に任せるのではなく学校側が場面、場面に応じてその理由を説明し子どもに指導する必要があると思う」

子どものワクチン接種は

坂本マネジャー
「感染リスクをゼロにすることはできず、万が一感染した場合にも重症化しないようワクチンを打つことも重要だ。当初、接種に慎重だった人もいたと思うが、有効性や安全性についての知見が積み上がってきており、以前よりもはっきりと子どもも接種した方がいいと呼びかけられている」

5歳から11歳の子どもの新型コロナのワクチン接種は、ことし2月から、ファイザーのワクチンを使って1回目と2回目が行われています。厚生労働省は8月29日に開いた専門家の部会で、5歳から11歳までの3回目の接種でファイザー製のワクチンを使用することを了承し、30日、正式に承認しました。

かぜのような症状? 体調がいつもと違う場合には

坂本マネジャー
「感染した人が最もウイルスを排出するのは発症の直前から直後といわれるが、そのころは休む必要性を感じないくらいの軽い症状の場合もある。体調がいつもと違うとか、かぜのような症状があるなと思ったら積極的に休むということを学校からしっかり勧めてもらいたい」

松本主任教授
「これまで同様、やはり検査を優先的に考えていただきたい。受診できるのであれば医療機関を受診したり、コロナの検査キットも、ある程度入手できるようになってきているので、検査キットを有効に活用したりして、陽性か陰性か、はっきりさせるのがよいと思う」

けん怠感 せき 集中力低下…子どもにも後遺症の疑い

松本主任教授
「けん怠感やせきが続いたり、集中力が落ちてしまったりと基本的な後遺症の症状は大人と共通している。後遺症の種類や程度はさまざまで、学校に行くこと自体つらい人もいる。保護者は子どもが休みたいから言っていると思うかもしれないが、症状をうまくくみ取って休ませる時はしっかり休ませてほしい。子どもは症状をことばで訴えたり、表現したりすることが難しいこともある。周囲の大人がしっかりと受け止めて子どもの変化に気付いてあげることが大事だ」

ちょうどよい対策のポイントを探ることが必要

坂本マネジャー
「学校に通う子どもたちは、対策が嫌になったからと言って自分からやめられるわけではなく、大変な思いをし続けている。大人も相当疲れていて『コロナは感染しても大したことない』と思いたい気持ちも分かるが、病院にいると、そうはならなかった人たちにたくさんお会いする。まだ手放しですべての対策を投げ出せる状況にはとてもなっていない。子どもにも大人にもちょうどよい対策のポイントを探っていくことが必要だ」

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