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コロナ全数把握 東京都など見直しせず 茨城県は見直し申請 理由は

  • 2022年8月30日

新型コロナウイルスの患者の全数把握について、29日夕方までに見直しの申請をしたのは、全国で4県、関東地方では茨城県のみとなったことがNHKのまとめで明らかになりました。このうち東京都は、感染者の全数把握の見直しを当面行わないとしています。東京都の方針の背景や、1都6県の対応とその理由について、現時点の情報をまとめました。(9月2日追記)

新型コロナ全数把握 見直し希望の場合は申請

新型コロナ患者の全数把握をめぐり、厚生労働省は医療機関や保健所の負担を軽減するため、緊急の措置として都道府県の判断で患者の「発生届」を高齢者など重症化リスクのある人に限定できるよう見直しました。
そして、運用開始から見直しを希望する場合は、8月29日夕方までに申請を行うよう都道府県に求めていました。

「見直しを申請」 茨城県

これについてNHKが全国の都道府県に問い合わせたところ、見直しの申請を行ったのは関東の1都6県では29日午後4時までに茨城県のみでした。
理由について茨城県は「発熱外来の業務ひっ迫の回避を優先した」としています。

「導入しない」 東京都・埼玉県・神奈川県

東京都、埼玉県、神奈川県は「導入しない」と回答し、現時点では見直しは行わないとしています。

〇東京都
患者一人ひとりの健康状態を把握して必要な医療につなげるため。また、都全体の感染動向を把握するため。

〇埼玉県
発熱外来全体がひっ迫している状況ではないと判断した。全数把握の対象から漏れた方が重症化した場合に対応が遅れるリスクの回避のほうが重要だと思った。

これについて神奈川県の黒岩知事は29日の定例会見で、まずは運用上の問題点を改善すべきだという考えを改めて示しました。

〇神奈川県 黒岩知事
政府は把握の対象外の人も宿泊療養施設を使いたい場合は利用して良いとしているが、全数把握をしないで、どうやってその人が宿泊療養施設の利用の対象だと見極めればいいのか。矛盾を抱えた制度のままでは全国一律といわれてもできないものはできない。

「検討中」 千葉県・栃木県・群馬県

また、千葉県、栃木県、群馬県は「検討中」と回答しました。

「一長一短ある」
「リスクなどについて識者の意見を聞いている」
「総理が全国一律の対応が望ましいと言っていたので他県の対応を見ている」

全国では、見直しの申請を行ったと回答したのは茨城県など4県でした。また、33道府県が現時点で検討中と回答しているほか、東京都、埼玉県、神奈川県など、10都県が現時点で見直しは行わないと答えました。

(追記)
厚生労働省が申請の2回目の締め切りとしていた9月2日までに新たに三重県と長崎県が申請したことがNHKのまとめでわかりました。

東京都 全数把握見直しせず “健康把握が必要”

東京都は感染者の全数把握の見直しを当面、行わないことを決めています。その背景にあるのが軽症や中等症だった患者の容体が急変して、死亡するケースが目立っていることです。

新型コロナの患者を必要な医療につなげるためには、発生届の対象を重症化リスクが高い人などに限定するのではなく、患者一人ひとりの健康状態を把握することが必要だと都は考えているのです。
また、ここ最近になって新規感染者の数が減ってきていることも理由の1つです。

都の幹部
「報告や作業のしかたを変えると逆に事務負担が増えると考えた。ピークの時に言われれば違ったかもしれないが、感染者数も減っている」

都は感染者のデータを管理する国のシステム「HER-SYS」で、発生届の作成から健康観察までを行う医療機関には、1件につき3万1200円の協力金を支給しています。こうした取り組みを通じて都は患者の健康観察の実施を促進したい考えです。

小池知事 “現場の声聞き混乱ないように”

新型コロナ感染者の全数把握の見直しをめぐり、岸田総理大臣がいずれは全国一律の措置に移行する方針を示したことについて、東京都の小池知事は29日、見直しにあたっては現場の声を聞き混乱がないようにするべきだという考えを強調しました。

東京都 小池知事
「一人ひとりの命をしっかり見ていくことは大きな務めだ。国がどういう形で進めていくのか、現場の声も聞いてもらいながら混乱のないようにしていくことが求められている。個人のカルテと『HER-SYS』が連携してないので入力が2度手間になっているのが現場の声であり、システム上の課題もある」 

運用は9月2日から 見直し申請の4県は

全数把握の見直しを申請した茨城県、宮城県、鳥取県、佐賀県の知事はオンラインで会議を開き、国に対して、運用についての具体的な説明や医療機関や自治体に負担がかからないような療養証明のあり方などを4県で求めていくことを確認したということです。

一方、新型コロナの全数把握の見直しは、9月2日から適用されることになりました。茨城県によりますと、29日夕方になって厚生労働省から運用開始を9月2日に延期するという連絡がきたということで、茨城県としても運用開始を延期せざるを得なくなったということです。
茨城県の大井川知事は、国の対応を「あまりにもお粗末だ」と批判しました。

茨城県 大井川知事
「8月31日開始ということで準備も進め医療関係者などとの調整も済んだあとでのことで非常に遺憾だ。総理大臣の発言を受けた全数把握の見直しにもかかわらず、直前に延期するのは厚生労働省の対応としてはあまりにもお粗末ではないか」

発生届なしの人への対応は 茨城県

茨城県は、2日、全数把握を見直し、患者の発生届を重症化リスクが高い人に限定する運用を始めました。これにより、県内では発生届の対象外となった重症化リスクが低い人は、保健所が患者の名前や住所といった基本的な情報や健康状態を把握する手段がなくなります。

このため県は、容体が悪化したといった相談には24時間対応の電話窓口で応じるほか、重症化リスクが高い家族がいて自宅療養に不安があるなどの申し出があった場合には、宿泊療養先を調整することにしています。

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