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秋の値上げは6300品目超 家計見直し相談が増加 今後の見通しは?

  • 2022年8月25日

原材料価格の高騰や円安を受けて、ことし10月には多くの食品や飲料で値上げが予定されていて、家計への負担はさらに増えると見込まれます。
こうした中、家計の見直しや資産運用の相談を受け付ける会社では利用者が増えていて去年の同じ時期と比べて2倍近くに上っています。

10月の値上げ 8月の2.5倍に

民間の信用調査会社、「帝国データバンク」は国内の主な食品メーカーや飲料メーカー105社を対象に調査を行い、7月末時点での各社の値上げの動きをまとめました。
それによりますとことし10月に値上げする予定があるとした食品や飲料は6305品目となっています。これは8月と比較するとおよそ2.5倍になっています。

背景には、小麦や油脂などの原材料価格の高騰や、原油価格の上昇による物流費や包装資材などの値上がりに加えて、円安による輸入コストの増加があるということです。

調査会社によると、値上げの幅も拡大していて、物価上昇による家計への負担はさらに増えると見込まれています。

家計見直しサービスが人気

物価の上昇が続く中、家計の見直しや資産運用の相談を受け付ける会社では利用者が増えていて去年の同じ時期と比べて2倍近くに上っています。

この会社では全国に9つの店舗があり、窓口では家計の見直しや、住宅ローンや資産運用についての相談を受け付け、ファイナンシャルプランナーがアドバイスなどを行っています。会社によりますと物価の上昇が続く中相談人数は増えていて、7月はおよそ900人と去年の同じ時期の2倍近くに増えました。

利用する人からは「増えた光熱費の支払いを抑えるにはどうすればいいか」といった相談や「将来に向けてお金の不安が増えた」などという声が聞かれるということです。

「投資信託相談プラザ」尾口紘一代表
「物価高の中、少しでもなにか出来ることがないかと相談を受けるケースが増えている。オンライン相談なども増やしてしっかり対応したい」

家計の見直し 相談した人は

都内に住む40代の男性は8月10日に妻と子ども2人の家族4人で相談に訪れました。
男性は自営業で自動車整備の仕事をしていますが、自動車部品の値上がりなどが利用客の減少につながる可能性もあり今後、収入が落ち込むのではないかと懸念しています。
さらに、5歳と4歳の子ども2人の教育費や食費が今後増えると見込まれることなどから、今回、相談したといいます。

担当のアドバイザーからいまの物価の状況について講義を受けたあと、家族4人の1か月の支出額を書き出し、支出が多い項目を洗い出しました。

その結果子ども2人がいる4人家族の平均と比較すると、1か月の支出額が5万円ほど多いことがわかり、固定費を見直すようアドバイスを受けていました。

相談した増淵直人さん
「子どものためにも貯蓄をしておきたいが、値上げのニュースを見るたび心配になります。支出を抑えることを考えないといけないです」


「子どものための支出は減らしたくないです。むだなものは買わないようにしていてできるだけ安いスーパーを利用するようにしています」

秋には物価上昇率3%も

専門家は今後の見通しについて次のように指摘しています。

ニッセイ基礎研究所 久我尚子上席研究員
○現状について

物価上昇の主な要因がこれまでのエネルギー価格から、食料品の値上がりに移ってきている。特に食用油やパン・麺類など、日頃、消費者が購入する商品の価格が上昇しているので、家計の負担が増している。

○今後の見通し
企業がまだ価格転嫁しきれていない部分もあるため、今後も消費者物価は上昇し、秋ごろには上昇率は2%台後半、3%に近くなってくるだろう。

○欧米との違い
欧米は日本をはるかに上回る上昇率だが、賃金もあがっている。日本も企業が付加価値の高い商品を生み出して適切に価格転嫁していき、賃金も上がるという循環をつくっていくことが重要だ。

○出来ることは?
最近は必要なときに必要な量だけ利用できるサブスクリプション型のサービスも充実しているので、これを機会に利用するなど、家計の見直しを進めてほしい」

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