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コロナ 全数把握と定点把握とは 何が違う?感染者把握の仕組み

  • 2022年8月23日

新型コロナウイルスの感染者をどのように把握するのか。
感染者の全数把握について、政府は今の手法を見直し、医療機関に対し、症状など詳しい報告を求める対象を高齢者をはじめ重症化リスクの高い人に限定する方向で調整を進めています。
一方、定点となる医療機関を指定して定期的に報告を求める定点把握については、第7波が収まった後で、改めて検討する方針です。

詳細報告 高齢者などで調整

新型コロナの全数把握をめぐっては、感染症法に基づいて医療機関が「HER-SYS」と呼ばれる国のシステムにすべての感染者の情報を入力することになっています。

感染の第7波が続く中で政府は、現場の負担をできるだけ軽減しようと、専門家の話などを聞いて、見直しの検討を行っています。
そして、医療機関に対し、症状やワクチンの接種歴など詳しい報告を求める対象を、高齢者や基礎疾患があるなど、重症化リスクの高い人に限定する方向で調整を進めています。

他の感染者も人数は報告

そのほかの感染者についても人数は報告してもらい、国が都道府県別の感染傾向を把握できる仕組みにしたい考えです。

一方、定点となる医療機関を指定して定期的に報告を求める定点把握については、具体的な制度設計に時間が必要なことなどから第7波が収まった後で、厚生労働省を中心に改めて検討する方針です。政府は、最終的な調整を進めたうえで、具体策を発表することにしています。

全国知事会 早急に見直し求める

新型コロナの感染者の全数把握をめぐって、全国知事会は早急に見直しを進め、地域の状況に応じて届け出の対象を柔軟に設定する仕組みの導入などを政府に求める緊急提言をまとめました。

全国知事会会長
平井知事

全数把握にこだわりすぎて、医療機関や保健所が崩壊しかけているという危機感がある。対策を転換し、重症者をフォローする対策に移行すべきだ

 

全国知事会として政府に対する緊急提言をまとめました。
提言の内容です。

・感染者の発生届の対象を重症化リスクの高い人に限定するか、定点となる医療機関を指定して定期的に報告を求める定点把握を導入。
全数把握を早急に見直す

届け出の対象外となる患者が取り残されることのないよう、必要な検査や治療、相談の体制の確保が重要だとしています。

さらに、地域の感染状況に応じて届け出の対象を柔軟に設定できるようにすることなどを求めています。この提言は政府に提出されます。

定点把握とは

議論の中で出てくる「全数把握」と「定点把握」、どのような内容なのでしょうか。

「定点把握」は、すべての医療機関対して患者の報告を求める代わりに、全国各地であらかじめ指定した医療機関から定期的に患者数の報告を集めることによって、地域ごとの流行の動向を推定する方法です。

現在も5類感染症の一部、季節性インフルエンザや手足口病、感染性胃腸炎などで行われている方法で、例えば季節性インフルエンザの場合、都道府県が指定した小児科およそ3000か所・内科およそ2000か所の医療機関を“定点”として、週ごとに患者数を集計し、定点当たりの患者数の変動を見て、流行の動向を把握しています。

「全数把握」と「定点把握」 違いは?

現在行われている、発生届をもとにした全数把握では、感染者の地域ごとの詳細な数だけでなく、患者の現在の症状や基礎疾患の有無なども記録され、保健所による健康観察や、入院の必要性の判断などにも活用されています。

一方で、医療機関が患者一人一人の情報を入力する作業や、保健所での入力内容の確認・修正などの負担が大きくなっています。

定点把握に切り替えた場合、こうした負担は軽減されるとみられるものの、重症化リスクのある患者の拾い上げといった、適切な治療につなげるための情報を把握することが難しくなることも考えられます。

また、これまで全数把握で得られた詳細なデータにもとづいて、数理モデルなどを活用した流行状況の予測や、過去の感染状況と比較した流行規模の分析などが行われてきましたが、データの量や質が変わることで、一時的に分析が困難になる可能性も指摘されています。

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