1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. もっとニュース
  4. コロナ感染拡大 “救急の搬送困難”過去最多 限界超えている…

コロナ感染拡大 “救急の搬送困難”過去最多 限界超えている…

  • 2022年8月17日

「普通の医療はできず、医療現場はすでに限界を超えている」
救急外来の医師の言葉です。
3年ぶりに行動制限を伴わないお盆休みとなりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大は続き、医療機関のひっ迫の度合いが強まっています。
お盆の間も多くの患者が診察に訪れたほか、救急外来への受け入れ依頼も相次ぎました。感染者の増加で負担が増している医療現場の現状をまとめました。

お盆返上 対応に追われる

お盆で休診中の医療機関も多い中、発熱外来の診察を受け付けている横浜市青葉区のクリニックには、症状を訴える多くの患者から問い合わせがあり、対応に追われました。

8月13日も台風8号が接近する中、医師や看護師が車で訪れた患者の診察や検査を行っていました。
問い合わせは、ふだんより多いということで発熱の症状を訴える問い合わせは、8月13日午前だけで20件ほどあったということです。
対応できる患者の数に限りがあるため、中には、予約を断らざるを得ないケースもあったということです。

“薬欲しいなど” 受診希望者あと絶たず

クリニックでは、重症化リスクが低く症状も軽い人には、抗原検査キットを使って自分で検査をすることを勧めていますが、「薬が欲しい」とか、「正確な結果を確認したい」という理由で、受診を希望する患者もあとを絶たないということです。

ファミリークリニックあざみ野 石井道人院長
「台風が近づいている中でも午前中から多くの相談があり、数件は断らざるを得なかった。お盆期間中は、どうしても開いている診療所に集中してしまうので、できるだけ対応したい」

救急搬送困難も過去最多に

感染が拡大するなか、救急患者の受け入れもひっ迫しています。
8月14日までの1週間に、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は6747件と3週連続で過去最多となったことが総務省消防庁のまとめでわかりました。
1都3県について、「搬送が困難な事例」を地域別にまとめました。

搬送困難な事例 地域別(8月14日までの1週間)
  件数 2019年 同期比
東京 2856件 6.13倍
横浜 401件 13.37倍
千葉 273件 3.03倍
さいたま 230件 5.9倍

 

総務省消防庁
「引き続き厳しい状況で、厚生労働省と連携しながら対応していきたい」

救急外来 “すでに限界超える”

国際医療福祉大学成田病院

お盆の期間中も受け入れの依頼が相次いだ医療機関の救急外来からは、すでに限界を超え、通常医療が提供できないという声が上がっています。

千葉県成田市にある国際医療福祉大学成田病院には、現在、新型コロナの感染者、約40人が入院しています。
救急外来には、感染後、動けなくなったなどの症状を訴える人や基礎疾患がある人からの搬送依頼が相次いでいました。朝の時点で受け入れ可能だった病床は午前中のうちに埋まり、その後は断らざるを得ない状況になりました。

 “搬送まで数時間のケースも”

医師によりますと、感染が拡大した7月中旬以降、受け入れ先が見つからず、搬送されるまでに数時間かかる患者もいたということです。
このため、病院では、救急車を長時間、待機させないよう、救急隊員の連絡で医師が軽症と判断した人には自分の車で病院に来てもらい、駐車場で診断や治療をする場合もあるということです。

また、最近目立っているのが、病気やけがをした人が新型コロナに感染していると、救急車での搬送先がなかなか見つからないケースです。新型コロナの症状自体は軽症でも、専用の病床で受け入れる必要があるため、病床のひっ迫が続く現在、対応が難しくなっているといいます。

搬送先20件以上断られる

自宅療養中 腰を骨折した女性

この日は、感染して自宅で療養していた高齢の女性が、転んで腰の骨を折り、救急車で搬送されてきました。女性によりますと、救急隊が搬送先を探しましたが20件以上の医療機関に断られたといいます。およそ30分後、ようやく受け入れ先が決まり、自宅から40キロほど離れたこの病院に入院しました。

自宅療養中 腰を骨折した女性
「転んで動けなくなったのですが、こういう時期なので救急車を呼んでいいのかためらいました。限界がきて救急車を呼ぶと救急隊が搬送先を探してくれましたが、症状よりもまず、『コロナ陽性』と伝えると断られてしまう状況でした。このまま搬送先がなかったらどうしようと不安でした」

国際医療福祉大学成田病院の救急科 志賀隆 医師
「コロナ陽性の人や、熱などコロナの疑いがある人は突然の病気やけが、持病の悪化があると搬送先を見つけるのが難しい。コロナ以外の患者も、コロナで病床が目減りし、対応が難しい場面がある。もはや普通の医療はできなくなっている状態で、医療の現場はすでに限界を超えている。待っている患者さんを断るのは猛烈に辛い」

ページトップに戻る