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コロナ第7波 感染者が語る“PCR検査は発症5日目” 今後の検査対応は

  • 2022年7月28日

新型コロナウイルスの感染急拡大が続き、発熱外来が受診しづらくなるなど医療機関がひっ迫しています。患者が医師の診察やPCR検査を受けるまで時間がかかる事態も相次いでいて、このうちPCR検査を受けるまで5日かかった感染者が発症から検査までの経験を話してくれました。

発症から5日目のPCR検査 感染者は語る

千葉県に住む山田育生さん(55)は、7月15日にのどの痛みやだるさを感じ、翌16日に39度の熱が出ました。
かかりつけのクリニックが週末で休みだったため、週明けに医師の診察と検査を受けようと考えていたところ今度は90歳の父親も頭痛や発熱の症状を訴えました。

このため週明けの18日に都内の医療機関5か所ほどに電話をかけましたが、いずれも予約で埋まっていると断られ、翌日の朝に再度、電話をかけても予約がとれませんでした。

山田さん

簡単に受けられると思っていたのですが…

その後も電話をかけ続け、19日の夕方になって品川区の在宅診療のクリニックに往診してもらい父親とともに医師の診察とPCR検査を受けることができました。
自身の発症から5日目のことでした。2人は翌20日にコロナ感染と診断され、父親は飲み薬を処方されました。

山田育生さん
「症状が出た時点ですぐに受診し、検査を受けられないと手遅れになってからでは遅い。特に高齢者はいつ悪化するかわからずとても心配でした」

“時間がかかり症状悪化の患者が増えるおそれも”

クリニックの医師はこれ以上、診察や検査まで時間がかかる状態になると症状を悪化させる患者が増えるおそれがあるうえ、発症から5日以内の服用が勧められている薬の処方も間に合わなくなると指摘します。

 「ひなた在宅クリニック山王」田代和馬院長
「第7波は『検査難民』の数がはるかに多く、医療機関や保健所につながらず不安に襲われながら自宅で過ごしている患者が多い。検査できずに診断が遅れ、薬も飲めずに病状が悪化する。入院にも時間を要するという負のスパイラルが起き始めている」

抗原検査キット “自治体窓口配布も検討を”

政府は、発熱外来が受診しづらくなっている現状を踏まえ、症状のある人が自分で検査できるよう、発熱外来や薬局などで、抗原検査キットを無料で配る方針を示し、日本医師会にも協力を求めています。

これについて、日本医師会の松本会長は、記者会見で「診療業務に影響が出ることも考えられる。現場に混乱を生じさせず、効率よく行う必要がある」と指摘し、自治体の窓口などで配ることも含め、検討すべきだという認識を示しました。
また、政府に対して、不足しているPCR検査の試薬などを医療現場に早急に供給することなどを求めました。

神奈川県 “自分で検査 陽性なら自主療養を”

こうしたなか、神奈川県は27日、発熱などの症状があっても、2歳から64歳までで、ほかに病気がなく、妊娠もしていないなど、重症化リスクの低い人については発熱外来を受診せず自分で検査を行い、陽性だった場合、自主療養するよう、勧めていく方針を決めました。

「自主療養」は神奈川県がことし1月から独自に行っている制度で、抗原検査キットなどを使って陽性となった場合、専用のウェブサイトで県に届け出れば医療機関や保健所などを通さず、療養中であることを証明する「自主療養届」や、民間の保険請求などに使える「療養証明書」を発行できます。

企業や学校などから医療機関への受診を求められるケースが少なくないとして、企業などにも自主療養を認めるよう要請する方針です。

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