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オミクロン株「BA.2.75」の特徴は?感染力などわかっていること

  • 2022年7月28日

日本をはじめ世界の多くの地域ではオミクロン株の「BA.5」が主流ですが、オミクロン株の一種「BA.2.75」がインドを中心に増えていて、国内でもすでに確認されています。「BA.2.75」 について、現状の広がりのほか、感染力など特徴や治療薬についての実験結果など、わかっていることをまとめました。

BA.5に置き換わり 今後も感染者数更新を予測

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合は27日、全国的にこれまでで最も高い感染レベルを更新し続けていて、医療体制に大きな負荷が起きている地域もあり、社会活動全体への影響も生じていると指摘しました。

また、すでに感染力の強い「BA.5」に置き換わったと推定され、全国的に今後も過去最多の感染者数の更新が予測されるため、最大限の警戒感を持って医療体制への影響を注視する必要があると強調しました。

「BA.2.75」インド中心に増加 国内でも確認

世界の多くの地域では日本でもほぼ置き換わったオミクロン株の「BA.5」が主流ですが、オミクロン株の一種「BA.2.75」が(ビーエー・ツー・セブンファイブ)インドを中心に増えています。

「BA.2.75」は、国内で6月まで感染の中心となっていたオミクロン株の「BA.2」系統の変異ウイルスです。

WHO=世界保健機関によりますと、ことし5月にインドで初めて報告され、ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターの7月23日の報告によりますと、いまでは21か国で見つかっているということです。
国内でも東京都や神戸市などで確認されています。

「BA.2.75」特徴は 中和抗体を逃避の可能性も

国立感染症研究所によりますと、「BA.2」に比べてスパイクたんぱく質に数か所の変異が加わっていて、このうち、例えば「G446S」という変異は、オミクロン株の「BA.1」と共通していて、ワクチンの接種で得られた中和抗体を逃避する可能性もあるということです。

インドでは、ことし5月の時点では感染者数や死亡者数が低い水準で推移していましたが、その後、増加傾向に転じていて、「BA.2.75」の拡大が影響している可能性も指摘されています。ただ、インド以外の多くの地域では、日本でもほぼすべてを占めるに至った「BA.5」が主流の状態が続いています。

ECDCは「BA.2.75」を「注目すべき変異株=VOI」に位置づけていますが、7月15日の報告では、感染力や免疫への影響、感染した場合の重症度はまだ分かっていないとしています。

「BA.2.75」国内承認の治療薬の成分は効くのか

東京大学医科学研究所の佐藤佳教授が主宰する研究グループ「G2P-Japan」は、「BA.2.75」の表面にある突起の部分、スパイクたんぱく質を再現したウイルスを人工的に作成し、治療薬の成分が効くかどうか調べました。

査読を受ける前の論文としてインターネットで発表した細胞を使った実験結果によりますと、国内で承認されている治療薬では重症化リスクのある人に点滴で投与される抗体医薬のうち「ソトロビマブ」の成分はウイルスの働きを抑えていたということです。

その一方、2種類の抗体を同時に点滴で投与する抗体カクテル療法、「ロナプリーブ」の成分では、ウイルスの働きを抑えられなかったということです。

「BA.2.75」感染の状況を正しく把握できる態勢を

京都大学の西浦博教授は27日の厚生労働省の専門家会合のあとの会見で「BA.2.75」について「流行地域が限られるため十分に分析できていないが、インドでの感染状況を見るとこれまでより広がりやすい可能性はありそうだ」とコメントしました。

〇東京都のスクリーニング検査
「BA.2.75」2人の感染を確認(21日)
“この時点で都内10数人の感染者の可能性”

東京都のスクリーニング検査では「BA.2.75」に感染した人が21日に初めて2人、確認されましたが、西浦教授は、この時点ですでに都内に10数人の感染者がいた可能性があるという試算を示した上で、今後「BA.2.75」がさらに増えた場合の影響について「『第7波』がピークを越えたあとに再び上昇したり、流行が長引いて医療がひっ迫したりすることが想定される」とコメントしました。

そして国内で「BA.2.75」が広がった場合に備え感染の状況を正しく把握できる態勢を作った上で、重症化のリスクやワクチンの効果についての情報を世界に発信することも求められるという考えを示しました。

「BA.2.75」BA.2やBA.5より感染力強い可能性も

東京医科大学 濱田篤郎特任教授
「『BA.2.75』は実態がまだ十分明らかになっていないが、感染力がいままでの『BA.2』や『BA.5』よりも強い可能性はある程度想定される。国内でもいまの『BA.5』の流行が収まったあとで増加する可能性は懸念される」

一方、ツイッターなどでギリシャ神話に出てくる上半身は人、下半身は馬の怪物、「ケンタウロス」という呼び方がされていることについて「『BA.2.75』が『BA.2』と『BA.5』の両方の特徴を持っているので、このような呼び方をされているようだが、正式に決まった名前ではない」と指摘しました。

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